2005年09月18日

第9回「おかゆ食べた?。」

009.jpg

会談終わり一人出てきたケンちゃん。
「わー、びっくりしたなもー。引き抜きかよ。とりあえず返事保留してきたけどさあ。うーん、彼女がいるしなあ、思ったより悪いやつらじゃなさそうだし。」
と誰にしゃべってるんだお前。

そんな不謹慎なこと考えてるリーダーに天誅を食らわすべく天は一転カキ曇り、雨が降ってまいりました。
しかもざあざあ。
もの思いにふけりながら歩いてる彼はそんなこともいっこうに気にせず。

桃屋に到着しました。

ぎぃぃぃぃい。
「やー、みんな。お、全員揃ってるじゃん。」
おさむ「揃ってるんじゃんじゃないよ。遅いーーーー。」
ショータ「遅いっすよー。今何時だと思ってんですかー。」
ケン「え、何時って。あ、10分過ぎ。ごめんごめん。」
おさむ「ごめんってお前しかもびしょ濡れじゃんか。おいおい。」
アッコ「あららー。これ着替えないとカゼ引いちゃうよ。」
ケン「いやだいじょぶ。だいぶ暖かくなってきたから。ぶるるるっるう。うー。」
アッコ「何言ってんの。震えてるじゃん。じゃせめて拭いて。フィル、そこのタオル取ってー。」
「はい、お嬢様。これでよろしいですか。お嬢様。」
ショータ「お、パーカーになってるよフィル。」鳥塚しげきが変装してるのに誰も気付かず。
アッコ「はい、はい、はい」
ケン「あ、もういいよ。これで。サンキュサンキュ。」
アッコ「だって。」
ケン「だいじょぶ。遅れてるからさ練習しよ。」
「じゃロックンロール黄金時代もう1回やってみよか。」
「へーい」

1,2,3
ぽん、たたんたたんぽぽん。
ぽん、たたんたたんぽぽん。いんとろー

(1番)
エブバリ、うーんと。
うーんとうーんと。あれ。うーんと。
ちょっとまったー。
ででででででで〜。

ケン「ごめん。歌詞が出てこないや。ちょっと待って。」
ショータ「んだよー。しっかりしてよー。リーダーなんだからさぁ。俺達はばっちりなのに。」
けっこう言いたいこと言うショータ。空気が凍る。
「ごめん、ごめん。今思い出すからえーと。うーん。気にしないで最後までやってくれ。」

1時間半、終始ケンちゃんボロボロ、何とか終了した。
「うわ、今日はみんなすまん。どうかしてた。うん。この次はしっかりやるから。」
ショータ「頼みますよー。ぶつぶつ。」
おさむ「ま、ショータ堪忍してやってくれや。こんなやつでも調子悪い時もあらあな。」

片付けて店を出る。
おさむ「おい、ケン何か悩み事あるんなら正直に白状せい。聞いて殴ってやるから。ははは。」
ケン「いや、平気平気。大したこたあないよ。ぶるぶる。うー冷えるね今夜。」
おさむ「えーけっこう暑いぜ今日。カゼひいたんじゃないのかお前。」
ケン「だいじょぶだいじょぶ。じゃあな。また明日。」

・・・・うーん頭痛くなって来ちゃった。やべえなあ・・・・

家にたどり着いた。
「ただいまー。」
久し振り原セン婆さん登場。
「こら毎日毎日。遅いじゃないかー。メシ冷えちゃってるよ。」
「ごめんごめん。冷えててもいいか・・」どたっ。
「そうゆうこと言ってんじゃ・・、お、ケンどうしたケン。爺さん爺さんケンが。  ケンが寝ちゃったよ。」
奥からタイジ爺さん出てきた。額に手を当てて
「あ、こりゃいかん。凄い熱だ。とにかく寝かさねば。婆さん足持て。運ばんと。」

ケンちゃん無茶して倒れてしまいました。



何か廻りがもやっとしている。どうやらまたヤマキワのスタジオに来ているようだった。
目の前でコアラのマーチの連中が騒いで。こっちを指差して笑っている。
するとジュンコさんが笑いながらコアラに抱きつき、マジだよ、キッスしちゃったよ。

場面転換

目の前にジュンコさん。どんどん顔が近づいてくる。あと15cmのとこでなぜかアッコに変わった。
なおかつどんどん近づいてきて。マジかよ、キスしちゃったよ。

「わっ。」
くわっとケンは目を見開いた。
「わっ。びっくりしたなあもう。起きたんだ。やっと。」
ぱっと離れてしゃべったのはアッコ。

「ええっと。何でお前が...。ここはうちだよな。うーん。」
「はは、当たり前じゃない。きのうカゼで倒れちゃったんだよ。覚えてないの?」
「うーん。あ、そうか。家に着いたとこまでは覚えてるんだけど...。あれから倒れちゃったんだ。」
「熱40度出てたんだよ。死ぬかと思った。」
「あいにく生きてるぜ。ははは。」
「冗談言えるようになったらもう大丈夫ね。」
「で何でお前が?学校は?」
「おさむに聞いて今朝こちらに電話したらおじいさんおばあさんが用事でどうしても出かけなきゃいけないって言うもんだから。学校さぼって来ちゃったよ。病人ほっといたら気の毒だしね。」
「ふ、ふーん。えーとえと今何時。」
「午後の4時。」
「ずっと朝からいたのか。」
「うん。まあね。しょうがないじゃない。」


「やさしんだな。意外と。」

「「意外と」は余計だよ。」

「それでさ。さっき俺が目覚ました時、目の前にいたじゃない。あれはその...」
「ばか。何言ってんの。えーとあれは熱見てただけ。      だけ。」


「ふーん。そう。    俺何か言ってたか。」
「ううん。何かもごもご言ってたけど。わかんなかった。」





「腹減ったなあ。」
「元気出てきたね。あ、そうだ。おかゆ作ってあるから暖めてあげるよ。」

10分後

「お待たせー。」
「へえ、お前が作ったのか?」
「まーね。」
ふうふうしている。
「ほら、口開けな。」
「あーん。バカ、自分で食うよ。」
「おいしいは?」
「あ、うまいうまい。」
「ほら、口開けな。」
ふうふうして食べさそうとした時、

ガラッ。
「こんちわー。先輩だいじょぶすかー。」
「わ、あちちちちちち。」
慌てておかゆこぼしちゃったよ。
「おめー、いきなり入ってくるな。びっくりしたなもー。」
「あー先輩、いいことしてたんですねえ。きゃあ、恥ずかしい。きゃあうらまやしー。」
「バカ、違うよ。食ってただけだ。」
そこへどやどやとあと三人。おさむとイットク、マコが入って来ました。
「ショータ、まああんまりからかうな。病人の特権だ。許してやれ。」とおさむ。
「えーいいないいな。僕がカゼひいてもあーんしてくれますか?くれますかー?。あーん。」
ぼかっ。
「治ってますね。先輩。痛いです。」
一同爆笑。


さすがケンちゃん若いです。いったん治り始めたらメキメキと。大事をとって二日目は婆さんに強制的に寝かしつけられ、それでもどかどかメシ食ったもんで三日目にはご赦免、学校にも行きの、もちろん練習にも行きましょう。メンバーの面々はカゼ移したらやばいってことでもう来るなと言ったら来なかった。子供もおるしね。
さあ練習にレッツ・ゴー。
だけど
その前にすることがある。足はまたもやヤマキワのスタジオに向かっていました。

・・何かなあ。熱出して熱醒めたら目も醒めた気分だぜ。・・

・・それにしてもやつらけっこういい連中だな。アッコだって来てくれたし。アッコ・・・


エスカレーターにのってずんずんと上に上がって。少しはドキドキしている。
スタジオのある楽器フロアーに到着。扉の前にコアラのマーチの面々がいた。

「お、ケン。よく来たね。どうしたの?二日間音沙汰無かったけど。心配しちゃったよ。」とジュンコねえさん。
「えーと。カゼひいちゃって。寝てたもんで。」
「げ、うつすんじゃねえ。」と水上。
「あ、だいじょぶ。もうピンピン。」
「まったくよう、あぶねえあぶねえ。」
「それはそうと言うことがあるんだ。」
「なんだい?練習の後のミーティングの時じゃ駄目なの?」とコアラ。
「いや駄目なんだ。実は。実はメンバーになることなんだけど。」
「え、あっちのこともあるからすぐじゃ無くていいよ。と言ってもあんまり待てないけど。」とジュンコ。
「いや、そうじゃ無くて。やっぱりメンバーにはなれません。せっかく誘ってもらってありがたいんだけど。



俺、やっぱブギが好きだ。」
「え、何で。考え直してよ。」ジュンコ。一挙に不機嫌な顔。声も一オクターブ低く。
「この私が頼んでんだから。」



「いや。駄目です。悪いけど。ごめんなさい。これで失礼します。」

「あーははははははははは。」いきなりジュンコ高笑い。びっくりしてケンは立ちすくむ。
「何よあんた。思い上がるんじゃねえ。別にあんたなんか欲しくなかったさ。あんたをあのバンドから抜けば同地区ライバルが減るじゃない。だから誘ったまで。入れたって弾かせはしないさ。このへぼギタリスト!。あんたの方が最高に決まってんじゃない。ねえダ〜〜〜〜リン。」
と笑いながらコアラに抱きついて。
抱きついて、マジかよ、キッスしちゃったよ。



・・
・・・
・・・・
「わー」っと言ってケンはエスカレーターを駆け下りた。

「何だよ、あいつジュンコにほれてたんじゃねえのか。」って聞こえた気がした。

桃屋に向かって歩いてるケン。

・・どっかで見たような光景だったなあ。・・・

・・あ、うなされてた時の夢だ・・・

・・正夢だ・・・・・

キィーーーーッツ。横から自転車。
「あぶねー。ボーッとして歩いてるんじゃねえっ!!」

「わ、わ、わ、わ、頭に来たぞー。くそーーーーー。あいつら俺をコケにしやがった。」
「ばかやろう。見てみろこの。ぎったんぎったんにしてやる。くそー。」
目が醒めたように怒りながら桃屋に到着した。

「おーーーーー!!」
「わ、先輩。もうだいじょぶなんすか。」とショータ。
「やっぱおめえがいないと練習になんねえよ。さ、早く支度して。」とおさむ。
にっっとマコが笑った。
「わははははは。そうだろそうだろ。と   その前に、話がある。全員集合。」
「なんですねん。練習はよしたいなあ。」イットクもおります。

テーブルにて
「みんなに話しておきたいことがある。実はだな。例のバンド、コアラのマーチに俺は入らないかって誘われてたん
だ。」
「で」とおさむ。
「で、って他に反応あるだろう。このー。」
「だって断ったんだろ。さ、練習練習。」って席立とうとする。
「まあ待て待て。俺が言いたいのはだな。そんな汚いことまでして俺らを潰そうとしてるやつ・・」
「ああ、わかったわかった。みんな用心しろ。ショータなんかうまいものに弱いからなあ。」
「えー俺はだいじょぶっすよー。でも開陳楼の肉まんくれたらはいっちゃうかもなあ。」
ぼかっ。
「あー痛。でもうれしー。ぶたれないと頭ボケーとしちゃって。」
全員爆笑。
続く。

「ばかばか。お前がバカ言うと「続く」が出ちゃうじゃないか。えーとまだ話が。」
「何だよはやくー。」おさむ。
「オリジナルが出来たぞ。」



「今度は「続く」出して良いでス。」


続く。




「オリジナルが出来ました。」ケンが言いました。
「いつのまにー。おめえ寝込んでたじゃないか。」とおさむくん。
「夢でみたんだ。ってゆうより聴きましたメロディを。ただで休んでませんぜこのあっしは。へへへ。」
「さすがリーダー。と言いたいたいところですが、聴かせてもらわにゃあ褒める訳には行きませんぜい。」
ばこっ。
「何をー。名曲に決まってるじゃないか。どうしてもって言うのならじゃ聴かせてやろう。」

ケンちゃん、ギターを手に取りアンプにシールドぶっこんでやりはじめます。

♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い




と一通り演奏。
「どんなもんだい。えっへん。」
ショータ「わーすげーなー最初に作ったにしては上出来じゃ無いですか。」
ばこっ。
「いてー。わ、わざわざこっちにやってきてまではたくよこの人。褒めたのにー。」
「ばかやろ。えらそうなこと言いやがって。悔しかったらてめえで作ってみんかい。」
「すんません。無理ですだ。」
イットク「ところで曲名は何ていいはるのでっか?」
ケン「うーん、まだ決めてないけど。そうだな。「如何にするか。」だな。やっぱ。」
「きっと何か悩んでたんですね。ほほほ。」
バこっ。
「うるさい。一言多いぞショータ。
とこで衝撃の発表をば。この曲のヴォーカルは・・・・・・・
アッコにやって貰う。」
「え。えーーーー。聞いてないよー。わ、私が歌うのーーー。」
「そう。しかも今度のコンテストでトリにこれやりたいと思います。はい。」
「何でまたー!!」とアッコ。
「やってみればわかーる。みんなそれでいいなっ。」
おさむ「いいなって言われても完成してみなければわからないけど、とりあえず完成させてみようや。」
ケン「はい。では一通り歌うのでそれを録音してみよう。」


♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い




「はい。こんな感じです。みんなどうぞ。はいはい。」
おさむ「割と構成は簡単だから大体覚えたよ。アレンジ考えちゃおうか。」
ケン「なるほど。えーとイントロはブギでピアノでお願いします。」
アッコ「えーピアノ、弾きながら歌うのー。聞いてないよー。」
「はい。うたうの。歌詞は.....取りあえずこんな感じだからよろしくね。」
すらすーらすらと紙に書いてアッコに渡した。一応コードも書いてある。

「えーやだーこんな歌詞恥ずかしいよう。さては自分で歌うのが恥ずかしいから私に歌えって言ってるんじゃ。」
ケン「違う違う。あくまでも曲本来の良さを引き出すための所業です。堪忍してやってくだせえ。」

ピアノの前に座ったアッコ、弾きだす。

♪ぽんぽんぽんぽん
如何にするかーーーー、かーーーー、かーーーーー


「駄目だよーー。これキイ高くて歌えないよう。」
ケン「いや大丈夫だいじょうぶ。それでいい。イメージ通りだなー。うまいぞアッコ。」
「まったくもう笑っちゃってもしらないから。」

おさむ「じゃみんなで併せてみようか。」

1,2,3,4
♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い





ショータ「へー。けっこういいですねぇ。派手だし。アッコさんかわゆいし。」
おさむ「うん。なかなかいいぞこりゃ。でもあれだイントロのとこが寂しいかな。」

「ちょっと待ったーーーーー!!!!」

突然店の入口の方から大声が

放ったその男の正体は???
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