2005年10月30日

後記 そして 今

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長い間お読みくださった方に感謝いたします。なんてたって処女作ですんで。本はガキの頃から大好きで仰山読んでおりました。小学校三年生の頃かなあ。親戚のおじさんから大量に本をを貰って。家なき子とかフランダースの犬の原作(難しかった)を読んでひっそり泣いておりました。家なき子は、あれだ、おじいさんと動物達と一緒にフランスを大道芸しながら彷徨うんですけどおじいさんが冬の夜死んじゃって。動物達と放浪するも貧乏で。飢えてパン屋さんで「食パン一斤下さい」って。パン屋さんが「動物たちがいるんだろ。もっと買わなくていいのかい?」って聞くんだけど「いいです」って。その一斤のパンを自分は食べずに動物たちにあげようとするんだけど動物たちは食べようとしない。すごく腹減ってるのに。じっと見ている。泣きました。泣かずにおられるかい。って何書いてるのか俺。あと学校の学級文庫にありました江戸川乱歩のポプラ社のやつ。あれは素敵でした。ってことがなんの役にも立ってませんブギ・ブラザース。全く実体験すら反映されてません。むしろ高校生活でこんなだったらさぞ素敵だったろうなあって憧れ100%で書いてしまいました。中学の後輩たちとバンドやって、おじさんのお店でタダで練習できてライブも出来てオオウケなんて。・・・・あれば楽しいぞ。実際は廻りに洋楽好きなどほとんどいなくて、ブギーなんてもってのほか、たまにメン募などでセッション行くも皆ココロザシばっか高くて口ばっかなんでうまくいくはずもなくっての繰り返してました。兄弟たちもまずカバーから始めたからうまくいったんだな。これがオリジナルを本格的に始めるとなると色々出て来る訳で。ブギブラザース2をもし書かばその辺も。でも楽しくないからどうしましょ。

各所に大好きな70’Sテレビドラマの好き場面入れさせて貰いました。登場人物からご推察出来ると思います。アッコ役で書かせていただいた坪田直子さんとは石立鉄夫氏主演松木ひろし氏脚本日本テレビの「気まぐれ天使」に出てました悠木ちほさんの孫娘役だった方です。

あとはどなたかテレビドラマ化していただくだけで(^0^)。千恵蔵さんやシローちゃんや笠置御前さまは天国に行かれちゃったし、富士さんやオサムちゃんや石立さんは立派になっちゃったからなあ。キャスティング不可能かー。アニメでやって声だけで出演して下さい。
とゆう夢を見ました。楽しかったです。


今、舞台のイセザキ町はどうなっているか。この夏に行って来ました。
こちらのルポ・ページでどうぞご覧下さい。
posted by 山 at 08:47| Comment(0) | TrackBack(7) | 後記 そして 今 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第17回「最終話 明日のブギー」

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「おい、おい。おい、こっち見なさい。」と舞台の袖でシローおじさんが慌てています。

気配を察知したケン、
「え、また何か起こったのかな。」

「時間、時間」と自分の腕時計を必死に指差すシロー。

「あ、そうか。いろいろ引き伸ばしたから時間無くなっちゃったんだ。仕方が無い。よし。」

ケン、マイクに向かって
「えー、皆さん、今日は聴いてくれてありがとう。あと54曲ほどやる予定だったんですが残念ながら時間が来てしまったようです。」

ぶーーーーーーーー。

「ははは。ありがと。最後の曲行きます。  おじさん、シローおじさんそこで慌ててないで最後は一緒に演ろうよ。ほら。早く。」

舞台袖から頭を掻きながらシロー登場、抱えるは赤の愛器335、シルシル。手を振るやいなやアンプにカールコードぶち込んで

♪じゃーーーん、ぺろぺろぺろ♪

「わ、準備早いね。そっしゃ。最後の曲行きます。このバンドを始めた思い出の曲。

ホット・レッグス!

カンカンカンカン
♪ジョジャジョジャジョージャじょジャじょジャジョジャジュ
ジョジャジョジャジョージャじょジャじょジャジョジャジュ
(腰でギター、一斉イントロ、ケン&おさむ&シロー)
じゃ、じゃろじゃろジャジャジャじゃーじゃじゃろ
じゃ、じゃろじゃろジャジャジャじゃーじゃじゃろ

♪走りたいーけど 走れないのさ ここ最近走り過ぎ
  3年続けてーや 毎日放課後 
シゴキさ

(コーラス)
ホットレッグス 飛び出す
ほっれー 君じゃない
ほっれー 叫ぶぜ

「好きよ骨♪」

じゃがじゃが

♪随分お久、しぶりじゃなーいの でも最近、走り過ぎ
  力余っているからさ だって俺たち若者
 モリモリ

(コーラス)
ホットレッグス 飛び出す
ほっれー 君じゃない
ほっれー 叫ぶぜ

「好きよ骨♪」

(ドラムとベースだけに。ショータ、前に出てのチョッパーかまし。)

♪ぼむパットぶん、ぼぼぼデドリ、ぼむパットぶん、ぼぼぼデドリでどり
♪ぼむパットぶん、ぼぼぼデドリ、ぼむパットぶん、ぼぼぼデドリでどりデドリでどりデドリ

(ドラムソロに突入した)

♪キンキンかっこくんドランぼんぼんボン、ずこずこずこ、ぱすんぽよよーん
(跳ねながらぶったたたくマコに会場大拍手。)

♪づかんづかんづぁんづかんげげげげげげげゾルンボコリンちょぱおーん
(おー、どこから持ってきたかハナさんが、ティンバレスで乱入。首から「白井さん」で大きな札をぶら下げている。この時点では意味不明。」

♪でこどんどん(マコ)

♪でこぽんぽ(ハナ)

♪でこどんどん(マコ)

♪でこぽんぽ(ハナ)

・・・・
その時、左側舞台袖では
「まずいですね。相当うけてるよこいつら」久々登場、コアラのマーチ水上コージ。
「やばいよ。こりゃ持ってかれるかもな。」とコアラ。
どかーん
一瞬、コアラの目の前が☆に。後ろから前蹴りくらいました。
「そう思ったら何とかせんかい。ごらぁあ。」
「おー痛。何とかせんって言ってもなあ。あ、いいこと思いついた。」
とコージを呼んで耳打ち。
「え、また俺がやるの?さっき、ギター模型ぶち壊したじゃん。え、やっぱ俺?」
「しょうがないじゃない。あんたが一番悪党面だもーん♪」
「って姉御に歌われては仕方がありません。行ってまいりやす」
さささと消える。
・・・・


♪でこどんどん(マコ)

♪でこぽんぽ(ハナ

♪でこどんどんでこどんどでこどんどでこでコデコデコデコデコデコ(マコ、後半マコハナ)

どかああん。

一瞬静寂  後、ギターソロ

ステージではまたも三人チャック・ベリー!!!


♪じゃーじゃじゃぞじゃぞ、じゃじゃじゃぞじゃぞ、
ケンが決めると

♪ジャッゾじゃぞじゃぞじゃじゃじゃぞ
おさむが返す

♪じゃぞうううう、うんじょじゃぞ。びんぼーびんぼーびぼーびー
シローが腰振って割り込んで

三人で
♪じゃじゃじゃぞじゃぞぞ、じゃじゃじゃぞじゃぞぞ
ほっれー
じゃじゃぞぞ
      ほっれー
        じゃじゃあぞぞ
ほっれー
じゃじゃぞぞ

♪泣いてもだーめさ ちっともあの娘(こ)
振り向いては くれないから
花の17 満開 咲かねば どーする
飛んで虫入り

(コーラス)
ホットレッグス 飛び出す
ほっれー 君じゃない
ほっれー 叫ぶぜ

「好きよ骨♪」

じゃごじゃご ぷす

ここで照明がいきなし消えた。照明どころか音も消えた。

舞台裏手では
コアラのコージ「おお、やったね。この手の映画ではおなじみ、ブレーカー落としの術大成功!。」
両手でコアラとハイタッチするも暗くて空振り。

ステージ上では演奏は・・・・演奏はやめなかった。
ドラムの生音に併せて叫ぶ兄弟たち。

♪ホットレッグス
♪ホットレッグス
♪ホットレッグス
♪ホットレッグス

次第に会場もそれに併せ始める。

♪ホットレッグス
♪ホットレッグス
♪ホットレッグス
♪ホットレッグス
大歓声、会場全員合唱。

・・・・
コージ「やべ、誰か来る。兄貴ずらかろう。」
コアラ「おいや、おとうと。」

コンテスト本部長(大泉あきら)「まったくもう、何ですかねえ。停電なんて。困るわー。ええと
分電盤はと・・・。あ、ここここ。ブレーカー落ちてるわ。全く。ブギーさん待ってってね今上げ
るから。」

ガシャ。

一斉に明かりと音が

♪ホットレッグス
じゃがじゃが。じゃあああああああん。
丁度エンディングでした。

ケン「あーびっくりした。今のは演出じゃありません。事故です。協力してくれてありがとう。え
えと今日はほんとにありがとう。またどこかで。ばいばーい。」

大拍手。
大拍手。

どこからともなく手拍子が。

「アンコールあんこーるアンコールあんこおるアンコールアンコールあんこおおるうだんごおどぅ」

舞台袖で
おさむ「おいおいアンコールだって。」
ショータ「信じられません。」
イットク「でもコンテストでっせ。普通だめでっしゃろ。」

「ダンゴオオル、あんごおおる、ざんがああるう。あんがーるず、がんごーるううう」

ケン「何か凄いことになってるぞ。どうしよう。」
とたまたま側にいたのが停電復旧ご苦労さん戻って来ました本部長さん。見ると・・
あさっての方を見ながら手では
「行け行け」
してます。

ケン「よし。やろう。ありがとう本部長。おじさんたちもほら。最後の出番です。」とだああっと
ステージ上に。

アッコ「え、でも何やるの?あ、行っちゃった。仕方が無い。私も行くか。」

ステージに現れたブギ兄弟たち。

会場はそりゃも大騒ぎだ。


ケン「なんかこう言葉ありません。アンコールだなんて・・・。ありがとうみんな。
   それでは・・・たった一つのオリジナルやります。歌は、大切な人、あ、バンドにとって、
   アッコが歌います。「如何にするか」」

♪如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
 如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
 如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い

音が消えて画面だけ
ケンの顔
おさむの顔
ショータの顔
イットクの顔
マコの顔

ホーンの親父たちの顔

サックスソロの岸田さん。

シローの顔

そして汗だくのアッコの顔。

フェイドアウト


コンテスト決勝司会男「それではいよいよ審査結果の発表です。こうして後ろに揃っております
              各バンドのみんな、ドキドキしてるかーい?」

しーん

コンテスト決勝司会いぬ子「してるみたいですねえ。それではイクラさん、これをどうぞ。この
                 封筒の中に入っております。」
司会男「はーい。それではまず第3位の発表から



全国高校生ウルトラバンド合戦第3位はあ・・・・・」

おさむ「へぇ、このコンテスト、ウルトラバンド合戦って言ったんだ。初めて知ったよ。」
ケン「しぃっ!。今言うぞほら。」

司会男「出たな鳥取バンドの皆様です。拍手〜〜〜〜〜。」

わーーわーーーわーーーわーーー

「3位の出たな鳥取バンドの皆様にはユニ鉛筆1ダースと大学ノートが賞品としておくられます
良かったね。」

「それでは注目の準優勝は・・・・・・・・・・は・・・・・・・・・

神奈川県代表 コアラのマーチ!!

おめでとうコアラさんたち。さー前に出てきて〜〜〜〜。皆様ほらもっと拍手〜〜〜。」

何か渋々前にでるコアラの連中。ぶつぶつ言ってます。
ジュンコ「許さん準優勝。ってことは優勝はやつらか。許さん。行け。ほら。まだ間に合う行け〜」
コアラ「えっ?!行くんですか。そうだ行くんだ。コージ、お前が行け。」
コージ「えーーー、また俺かよ。」ジュンコ、拳見せる。「はいはいわかりました。いきますよー」

司会男「はいどきどきしますねー。となるとどうなるんでしょうか。」
犬子「じらさないでよおっちゃん。はやく教えてーーーー。
司会男「では行きますか。1977年度ヤメハ音楽工房主宰全国高校生超ウルトラバンド合戦コン
    テストの優勝バンドわーーーーーー

    神奈川県代表ヨコハマ・・・よこはまブ・・・・

    え、何。何ですか?・・・・あ、皆様ちょっとお待ちください。」

いざ、発表のその瞬間、司会の脇にささっと忍び寄った一人の黒子。読み上げ中止させて耳元で何か囁いてます。
うんうんと頷く司会。

「ちょおっとお待ちください。只今えー、コアラいや、ある出演バンドからクレームが付きまして
はい。申し訳有りませんがもう一度協議いたします。」

舞台の袖で審査員と司会交えて協議中。大泉おじさんがキーキー言って怒ってます。

5分後。

「大変お待たせいたしました。えー、再協議の結果優勝バンドはーーーーーーーーー
 2位から繰り上がってーーーー

 コアラのマーチ。

 皆様、盛大なる拍手を====。

優勝予定だった、えっ?それ言っちゃ駄目なの?、えー、横浜ブギブラザースは失格。著しく制限
時間オーバー、規則を害する行動をしたつうことでこのやろこれはロックこんてすとだろこんなバカなことあるかいつうことで審査員特別賞を授与いたします。賞品は米俵・・・・・・・・」

途切れて

エンドタイトル。

♪ホット・レッグス
配役
毛糸屋ケン(植草カっちゃん)
ラーメン屋おさむ(大徳寺くん、酒井トシヤ 。)
ラーメン屋親父(花沢徳衛)
ラーメン屋姉ちゃん(フジマナミ)
バーガー・シロー改めライブハウス桃屋、マスター、シロー(大坂志郎)
質屋店主(田中小実昌)
ハマ楽器店員キシダ。実はサックス吹き。(岸田森)
アッコ(坪田直子)
ケンの家の婆さん(原セン)
ケンも家の爺さん(殿山タイジ)
ケンの兄、トミユキ(国広トミユキat不揃いのリンゴ)new
イットク(岸部いっとく)
イットクの妹マコ(緑マコの子供時代)
蛇屋ショータ(森川ショータ)
ショータの母(天本ひでよ)


日比谷野音前、綺麗な夕焼け、帰る人

ショータ「あ、ケン先輩。アッコさんも。あ。」
おさむ「あー、ほっとけほっとけ二人だけにしてやんなよ。」
ショータ「そうですね。」
おさむ「それはそうと終わったな。」
ショータ「終わりましたね。」
おさむ「どーするこれから。」
ショータ「俺ですか俺はやりますよ。こんな面白いことやめられますかってんだー。」
おさむ「ははは、そうだな。おーい。面白兄弟。お前たちは  どうする?」
イットク「止めさせたいんですかい。そうはいきまへんで。やりますがな。なーマコ。」
マコ、こくんと頷いて
「やるよ私。」

わ、しゃべった。


配役 続き、曲は「如何にするか」

無責任そうな親父、植木。トランペッター。
サンラ似の親父、ハナ。ドラム叩き。
ゴリラ親父、イカリヤ。ベース弾き。
桃屋店員フィル・コリンズ・アッテンボロー・ゴンザレス(フィル・リノット)
やくざジャック(石立てつお)
やくざの子分ヤマモト(山本ノリヒコ)
やくざ兄さんオサム(しょーけん)
やくざ兄さん子分アキラ(水谷ユタカ)
コンテスト本部長(大泉あきら)
メタルバンド、コアラのマーチ、ベーシストミズカミ(水上コージ)
メタルバンド、コアラのマーチ、ヴォーカル、モンキッキじゅん子(ミハラジュンコ)
メタルバンド、コアラのマーチ、リーダー、ギター、コアラ(コアラ)
横浜すから座入場券モギリのおじさん(森川信)
横浜すから座売店店員(ウツミミドリ)
横浜すから座キンキン(きんきん)
映画館客親父(エバタタカシ)
ジョニーギター・ワトソン(特別出演)と美女二人
(ふぃおな・あぽー誰?とオギノメ・ソレア・k子)
ジョニーのマネージャー(ドン・コーネリアス)
ナリタ・ミキオ(ザキ署刑事)
石橋ショージ(ザキ署刑事)
ショータの同級生ペペ(ほずみぺぺ)
シュータの学校の教頭(ホズミたかのぶ)
ショータの学校の先生(柳生ひろし)
ショータの学校の校長(片岡チエゾウ)
ショータの学校の理事長(りゅうち衆)
タカギアスカ(オカザキユキ)
キャシャリン芸能社社長 センダミツオ
タクシー運転手 谷K
屈強な男A きらカン
屈強な男B マツザキまこと
パンク姉さん(オカダ川井演ずるスージー・すー)
コンテスト決勝PA担当(管ぬき太郎)
コンテスト決勝PA担当会社社長ヒデジ(大滝ヒデジ)
コンテスト決勝司会(イグラちゃん)
コンテスト決勝司会(いぬ山いぬ子)


ケンとアッコ並んで歩いている。

アッコ「駄目だったね。」

ケン「ああ。でもなー無理ないかも。ははは。
   だけど・・・・面白かったなあ。」

アッコ「うん。最高だったよ。こんなに面白かったんだねバンドって。」

ケン「そりゃそうだ。俺がいるもん。なんちゃて。で、どうする?これから?」

アッコ「マネージャー?やって上げるよ。



    今度はケンの・・・」
と言いかけて走り出します。

「えっ?  ケンのって。俺だけの?・・・・・・・
ニターっと笑って

「おい、待てよー。送るからさあ。一緒に帰ろうぜ。」


全速力で両手をばっちり振って走るアッコ、全身アップ。




配役
毛糸屋ケン(植草カっちゃん)
ラーメン屋おさむ(大徳寺くん、酒井トシヤ 。)
ラーメン屋親父(花沢徳衛)
ラーメン屋姉ちゃん(フジマナミ)
バーガー・シロー改めライブハウス桃屋、マスター、シロー(大坂志郎)
質屋店主(田中小実昌)
ハマ楽器店員キシダ。実はサックス吹き。(岸田森)
アッコ(坪田直子)
ケンの家の婆さん(原セン)
ケンも家の爺さん(殿山タイジ)
ケンの兄、トミユキ(国広トミユキat不揃いのリンゴ)new
イットク(岸部いっとく)
イットクの妹マコ(緑マコの子供時代)
蛇屋ショータ(森川ショータ)
ショータの母(天本ひでよ)
無責任そうな親父、植木。トランペッター。
サンラ似の親父、ハナ。ドラム叩き。
ゴリラ親父、イカリヤ。ベース弾き。
桃屋店員フィル・コリンズ・アッテンボロー・ゴンザレス(フィル・リノット)
やくざジャック(石立てつお)
やくざの子分ヤマモト(山本ノリヒコ)
やくざ兄さんオサム(しょーけん)
やくざ兄さん子分アキラ(水谷ユタカ)
コンテスト本部長(大泉あきら)
メタルバンド、コアラのマーチ、ベーシストミズカミ(水上コージ)
メタルバンド、コアラのマーチ、ヴォーカル、モンキッキじゅん子(ミハラジュンコ)
メタルバンド、コアラのマーチ、リーダー、ギター、コアラ(コアラ)
横浜すから座入場券モギリのおじさん(森川信)
横浜すから座売店店員(ウツミミドリ)
横浜すから座キンキン(きんきん)
映画館客親父(エバタタカシ)
ジョニーギター・ワトソン(特別出演)と美女二人(ふぃおな・あぽー誰?とオギノメ・ソレア・k子)
ジョニーのマネージャー(ドン・コーネリアス)
ナリタ・ミキオ(ザキ署刑事)
石橋ショージ(ザキ署刑事)
ショータの同級生ペペ(ほずみぺぺ)
シュータの学校の教頭(ホズミたかのぶ)
ショータの学校の先生(柳生ひろし)
ショータの学校の校長(片岡チエゾウ)
ショータの学校の理事長(りゅうち衆)
タカギアスカ(オカザキユキ)
キャシャリン芸能社社長 センダミツオ
タクシー運転手 谷K
屈強な男A きらカン
屈強な男B マツザキまこと
パンク姉さん(オカダ川井演ずるスージー・すー)
コンテスト決勝PA担当(管ぬき太郎)
コンテスト決勝PA担当会社社長ヒデジ(大滝ヒデジ)
コンテスト決勝司会(イグラちゃん)
コンテスト決勝司会(いぬ山いぬ子)


2005年10月28日

第16回「いざ決勝戦」

016.jpg

リハ終わって楽屋へ戻る兄弟たち。

おさむ「ははは、面白かったなあ。まさか、ハナさんとPAさんの社長が知り合いだったなんて。」
ショータ「ほんと。一時はどうなるかと思った。」
ケン「思ったって、お前の時が一番危なかったんだぞ。」と頭を軽くぱこーん。
ショータ「すんませーん。はともかく。リハ終わったら急にお腹が減って来ちゃった。」

くぅ。

ショータ「ほらね。」

くぅ。  くぅ くぅ ぐぅ。

ケン「おー、あちこちで鳴ってるよ。遅くなっちゃったけど昼飯喰わなきゃ。みんな弁当とか持って来てるか。」
イットク「はい。わてらはお手伝いはんがオムスビ作ってくらはったんで、ここで食べます。」
うなづくマコ。

ケン「俺は・・・ははは、持って来なかった。」

ショータ「ちぇ、先輩。持って来なかったって。ほら、あそこでもじもじしてる美しい女人がいますよ。」

アッコ「あ、は、あ、あの、これ?いやね。忘れるおバカがいるかと思って沢山作って来ただけ。何よその目は。もう。いいから早く食べなさい。」

ケン「はいっ。」

おさむ「ちぇ。もう尻にしかれてるよ。それにしても困ったな。俺も持って来なかった。どこかに喰いにいくか?」

ケン「これ、一緒に喰おうよ。」

ショータ「何をゆう(見栄切って)。そこでアッコさんが睨んでます。怖いです。」

その時、楽屋のドアから

「おいおい。誰か開けてくれ。両手がふさがってんだ。」
とシローおじさんの声が。慌てて開けるショータ。

シロー「さー、みんな。どうせ昼飯持って来てないだろ。これ作って来たからみんなで食べよう。」
手に持ってる箱の中には桃屋特製ビッグ・ハンバーガーやらタマゴサンドやらがいっぱい入ってます。

おさむ「おー、すげー。おじさんさすが!涙が出ます。さー喰おう喰おう。」

ケン「あー、いいな。美味しそうだな。」
横でアッコがぎろり。
ケン「でも、ボクはおにぎり好きだからおにぎりいただくだもーん。わはははは。」

ショータ「あ、ボク。じゃ飲み物なんか買ってきましょうか?」
シロー「あ、そうか。飲み物か。それは気が付かなかった。」
ウエキ「何だ。シロー。間が抜けてるぞー。相変わらず。」
頭を掻くシローおじさん。
その時、ドアが開いて・・・・・

「はーい。みんな、元気してる。じゃじゃーん。アスカちゃんの登場だよ。」
「やあ。」「どうだい。」
ゾロゾロと入ってきたのはタカギアスカに校長に理事長。

りゅうち理事長「や。どうだ。調子は。」
片岡校長「陣中見舞いだ。これ持って来てやったぞ。こいつが朝早く起きて段取りしたんだ。」
アスカが持ってるのは、どだーんと魔法瓶3本。
「えーん。重かったよう。これ、コーヒーなんだけど。インスタントでなし。のむべし。」

ケン「あ、ありがとうございます。ちょうど飲み物無くて困ってたところで。ありがたく頂戴します
。ありがとう、アスカちゃん。ほら、みんなも。」

一同「ありがとございまーす。」

ケン「先生たちも一緒にどうですか。ここでお昼?」

校長「いや、どうもここはそう広くないようだし。迷惑かけてもいかん。今日はいい天気だしこいつと客席で食べるよ。頑張れよみんな。しっかり見てるからな。」

ケン「そうですか。すみません。精一杯頑張ります。」

手を振りながら楽屋から去る理事長たち。

おさむ「さあ、食べよう食べよう。おじさん、ピクルスちゃんと入れた?」

シロー「おうよ。その辺はぬかりありませぬわ。くわ。」
タタラを踏んで多々良純。

全員大笑いして、楽しいランチタイム。



「くはー!」
「ほよー!」
「ぷはー!美味かったー。」
全員大満足でランチタイム終わり。

ケン「いやー、少しは控えようと思ったけどこりゃ無理だわ。うまいうまい。」
ニッコリするアッコ。
ショータ「そりゃそうだあ。先輩のには愛がたっぷし入ってるもんな〜。」

ベコっ。

アッコのハイキック、シュータの後頭部に直撃。

「いやーん。恥ずかしい。」

ショータ「くおー。痛ー。いやーんてあーた。」痛さで床を転げてます。突然スクっと立ち上がって。
「そいや出番はいつ頃になるんですか?」

アッコ「ごほん。えーと。さっき聞いたんだけど。えーと、みなさん注目!出番はー。3時から本番始まりますので私たちのは5時半頃になるとゆうことです。ちょっと待つけど、時間ずれる事も考えられますので、ここから離れないようにしてください。おわり。」

それ聞いた桃屋の親父衆、さすがベテラン・ミュージシャン。待つのはお手の物。ウエキさんトランプを取り出して何やら怪しい勝負が開催され始めました。

ケン「俺らはどうしょうか?」
おさむ「ふっわああ(アクビしながら)、しょうがないな。大人しく待つっきゃないか。」





大会が終わった。
優勝したのは鳥取代表のバンド、おっはー鳥取ばんどの「おっはー鳥取」。
準優勝はコアラのマーチ。
両者はプロとしての道が開けることに。
ブギ・ブラザースは・・・お昼食べたおにぎりとハンバーガーのせいで全員が腹痛に。本番時にはアッコ以外全員病院にいた。どうゆうわけかアッコだけは食中毒にならず、大会を観戦。おっはー鳥取ばんどを一目見てファンになってしまう。特にギターのウルトラ砂丘君の。大会後、そのままウルトラ砂丘君を追っかけてしまうアッコ。家出をして鳥取に付いていって。
その後バンドのメンバーになって東京でレコード・デビュー。「おっはー鳥取」は100万枚の大ヒットとなったもののヤメハとの契約で印税は全て会社側に。浮かれて金を使いまくってたメンバーたちは一挙に窮地に。
結局、全員、バンドを諦め、鳥取に帰ってしまう。そこで砂丘とアッコは結婚。2児をもうけるが華やかな世界を諦めきれない砂丘がのんだくれ暴力を。2年後離婚。子供二人を抱えて魚市場で働くアッコ。1年後そこで出会った魚屋さんと結婚。しばらくは幸せな日々を送る。男の子が生まれた頃から魚屋さん、ギャンブルにはまり町金から借金を。あまりの取立てに失踪してしまう。3人の子供を抱えたアッコは再び魚市場に。額に汗をかきながらふと思い出すのはあの決勝の日のことであった。


おさむは大会後、勉強する気にもならず、かといって店を手伝う気にもならず、桃屋でぶらぶらぐだぐだしてたらいつのまにかオサムちゃんと仲良しに。シローの止めるのも聞かずに苺組に入ってしまう。3年後、オサムちゃんとアキラちゃんと一緒に独立。おさむ商事を作って金貸しに。借金の取立ての時に相手の逆ギレにあい、太ももを刺され、出血多量で一人寂しく死亡。

・・
・・・
・・・・

ショータは無事高校卒業。金の力で薬科大学に進学するも演劇にはまる。授業そっちのけでドラマ、映画のエキストラのバイトに。そこで知り合ったプロダクションに入ってTVドラマ「青春とはなんだんねん」で不良の役で出演。青春ドラマ・ブームにのってちびっとだけ人気者に。しかしブームはあっとゆうまに去り3年留年後復学。何とか薬剤師免許取って実家のヘビヤを継ぐ。ドラマ出演時のことを知ってたつう女の人と見合いで結婚。自分のとこの赤マムシどんどん飲んで大活躍。子供を7人作りました。今はぴかちゅう。



マコとイットク。両親の会社が倒産。共に行方不明に。親切なあのお手伝いさんの家に引き取られる。中学に入ってマコは不良少女と呼ばれてしまい。髪はちりちり、目にはアイシャドウ。チェーン常備で街を闊歩。注意した警官に重症のケガをさせてしまい補導。院を出たあとはしばらく大人しくしてたものの家出、行方知れず。ことぶき町の映画館のポスターで見かけた人あり。
イットクは高校を中退。自動車修理工に。真面目に働き、経営者に気に入られ養子として入ることに。そこの娘と結婚して今は社長さん。株投資で儲けて今度ザキにハンバーガー・レストランを出店する。桃屋の前に。

・・


さてケンちゃん。大会後、アッコにふられたショックで何も出来なくなる。年を越す頃ようやく何とかふっきれ受験準備をするものの当然ことごとく落ちて浪人。予備校通いに。それでも勉強せず毎日店の金をくすねてはパチンコざんまい。1年後取り合えず受験をした4流大学にそのまま入学。毎日をパチンコとマージャンですごして7年かかって卒業。地元の不動産屋さんに就職。今日もパチンコ屋さんでシローに会い説教されてる。玉をすってすってオケラになって思い出すのはあの決勝の日の空であった。





「ぎゃああ。」
「ひえええ」
「わ」
「ごごご。いけねえ、すっかり寝ちゃった。今何時?」とケン。
「えーとまだ4時。」とおさむ。
「じゃだいじょうぶか。はいいけど、何かとんでもない夢見ちゃったよ。」
ショータ「え?先輩もですか。俺も」
アッコ「わ、わたしも。汗かいちゃった。」
イットク「わてもや。しょうもなあ。」
おさむ「俺もなんだけど、みんなどんな夢見たんだ。」

全員下を向く。しばらくしてむくっと顔を上げて全員で

「今日は絶対にがんばろうぜ!そりゃもう絶対!」

まもなく本番の時です。



そんな夢を見ちゃったもんだから全員目はぎんらぎんら、時間がまだ少しあっても居眠りするどころではありません。

おさむ「まだかー。」
ケン「あ、もう少し。もうすぐきっと呼びに来るよ。みんなチューニングとか仕度はいいか?」

全員「はーい」

おさむ「はーいはいいけど、俺、何だか緊張してきちゃったよ。まいったな上がったことなんかないのに。」
ケン「うん、何かなあ。あんな夢見ちゃったし。プレッシャーあるよなあ。」

ショータ「じゃじゃーん。」。でかい声でいきなり。

ケン「びっくりしたなあ。なんだよいきなし。」

ショータ「へへえ。皆様。そうなるだろうと予想してましたショータちゃんは。」

背負ってきたリュックを開けて何やらごそごそと。

「じゃーん。うちのカア様が出番前にこれを皆に飲ませるようにって。預かってきました。」

おさむ「何だよそれ。」

「よーくぞ聞いていただきました。これぞ我がヘビヤ秘伝の必殺ドリンク「或る蛇老」だー!効能はーーー上気せる血はにわかに沈静もっこし、また沈鬱なる気分せる時はにわかに燃え盛るほのおのい〜ずみ〜〜。」

ケン「能書きはいい。飲ませろすぐ。」
おさむ「でも、あれじゃないか。ヘビヤのだったら成分はもしかして????」
ケン「いえい。この際、そのことは考えるな。くれ。」
ショータ「はいはい。それじゃ皆さんどーぞ。あ、マコちゃんは半分にしときなさい。残りは兄ちゃんが飲むからね。」

アッコ、ショータに回し蹴り。バコ。「きゃ変態野郎!」

ショータ「いてーなー。重いの持って来たのに〜。ジョーダンですよう。でも高いんですからこれ。うちじゃ一本一万円で売ってます。」
ケン「原価は?」
ショータ「えーと500円。わ、何言わす。」

おさむ「ま、いいや。飲むぞー一気に。かんぱあああい。」

ごくごくごくごくごく。

アッコ「ひえーーー。何かこれ効っくわー。」
イットク「ほんまや。何かこーファイト沸いてきまへんかー。」

全員「ぐおー。」

その時、楽屋のドアが開き
「えーと。横浜ブギブラザースの皆さん。そろそろ出番です。楽屋の袖で待機してください。」

全員「ぐおーーー!!。」

「ひえっ。見かけは普通なのに随分なーー。」と逃げて帰ります係員さん。

「さー行こう。」

だっだっだっと若いのも親父も意気揚々とステージ袖にレッツゴー。

ケン「あれ、フィルは?そう言えばずっと見ないけど。おじさーん。」
シロー「あ、あいつか。ええと、あの、あいつはどうも恥ずかしがってね。バスから出て来ないんだよ。でもさっき言ってきたから本番直前には絶対来るから安心しなさい。」

ケン「そうですか。あいつ衣装自前だって言ってたから。楽しみだ。うひひ。」
おさむ「おい、そりゃいいけど相変わらずコアラのまーちは上手いなあ。けっこう盛り上がってるぞ。」

ステージ上ではラス前のバンド、お馴染みのヘヴィメタバンド、コアラーズが出てます。

曲はハートのバラクーダ。♪「うぉんちゅ・・・ばらくだああ」

ケン「わ、俺この曲好きなんだよなあ。」
脇からアッコが腕をぎゅちゅうっとつねります。
ケン「わ、この曲だっせー。」

曲が終わって大拍手。

「てめええらああ。あたいがモンキッキじゅん子さ。うかうかしてると張り手かますよ。みんなありがとー!!」

イットク「何やあのMC。人格めちゃめちゃや。」

「ばかやろー。ありがとおお。最後の曲だてめーーー。どうか聴いてくださいーい。いくぞー。」

始まった曲はアイ・ラブ・ロックンロール。

じゃ、じゃじゃじゃんじゃじゃー、しんぎん♪

ショータ「おー、リフがかっこえー。誰の曲だろう。」

大いに盛り上がり終了。万来の拍手だ。

ケン「さーみんな次だ。行くぞ。気合だ!ぶぎーーっ!」

全員「ぶぎーーっつ!!」。



「いやーセクシイでしたねえ。コアラのまーち。ごくろうさんでした。いえいみんなのってるかい?」
普段何で食べているかわかりませんタレントさんイグラちゃんの司会だよ。

「のってるみたいだよもぐもぐ。ぼくちんは寿司の方がいいなあ。」

アシスタントは犬山いぬこさん。すっかりマキバオーになりきってます。

「イグラちゃん、次が最後だね。紹介しておくれよ。もぐもぐ。」
「まいったなあ。アシスターントは女の子だと思ったのになー。馬でした。
それでは本日のメイン・レース!。最後の最後だよ。同じく神奈川エリアを勝ち抜いて来たこのバンド、何やらやらかしてくれそうです。

横浜ぶぎーーーーーーブラザース。どぞ。」


ステージ暗転。

しーーーん。

暗闇の中から音楽が

♪ぱーぱっぱっぱーぱら〜ん♪

曲は「A列車でいこう」。
どこぞのスーパー・バンドも使ってた。ただしこちらは生演奏、桃屋バンドの皆さんです。

♪ぱらららぱららら、ららーん♪

どすんたかどんどんたかどすんたか、どんどんたか

ハナさんにより小さなドラムソロ開始。いきなり立ち上がって床を叩きながらステージ前に。
マイクスタンドを叩きながら上へ上へ。
どんづまって
「何?    何?   

アっと驚くタメゴーッロウ  と来たもんだ。」

♪遠い遠い昔。あるところにおじいさんとおばあさんがおったとさ。♪
隣のマイクで歌いだすケン。曲は「アメリカン・パイ」。

♪おばあさんは山に芝刈りに、おじいさんは川に流されに===行ったとさ〜〜♪

とてもメロにのってるとは思えん。

♪フェブラリー・ステーックスでは、すってんてんですどーーーしましょ。
残るは100円。一発やって帰るかのう。」


♪かんかんかんかん、かんかんかんかん、かんかんかんかん、かんかんかんかん

ふざけるなテメー、と断ち切らんばかりにアッコのピアノ乱入。曲はお馴染み

「ロックンロール黄金時代」

桃屋ホーンズの皆さんここで参加
♪ぱんらーぱーらん、ぱぱらぱー、ぱぱぱ、ぱぱぱぱぱぱぱぱぱーっぱーああん♪

ケンが唄うよ。
♪エビリバデ、へい。みんなでへい。最近益々元気ぃ。

短いヘビ大きいヘビ、延ばしてまるめてインドお


<コーラス:おおお、おおお、  みんなハッピイ、こりゃハッピ>

おおお、おおお、これでいいのだロックンロール!!

さっぱし改善されて無いふざけた歌詞が功を奏して、ぐっとリラックス。ノリも抜群です。

キシダさん、のけぞりながらサックスソロ、引き継いで顔も演奏してるぞ、おさむのギターソロ。

全員一丸となって
一挙にラストに突入。

じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃ
絶対〜〜〜〜〜〜。   じゃん。


わーーーーーーわーーーーわーーーー。
大拍手。  はくしゅ。

「ありがとー。ありがとー。よろしくブギブラザースです。
こちらは先輩でおじさんで尊敬する先輩で、あのー、  桃屋ホーンズ!!」


ぱやぱやぱやぱやぱやーー♪

わーわーわー。

掴みはOK。順調発車だレッツゴー。


大歓声そして静寂。ドラムにスポットライトが当たります。

ケンが雄叫び
♪スロおおお〜〜〜ラああああーいド

どん、どん、どん、どん

観客席がざわざわと。誰もいないのにドラム鳴ってるぞ。

どん、どん、どん、どん、ばしゃあぁぁん!  アッコ立ち上がってシンバル一発。

「おおおおお」。姿が見えて歓声が上がった。

リズムギター・イン

きーーーーーーーーーーーーん♪

小さい持続音が。おさむのスライドギター。
今回の為に特別に買ったギター・エフェクター「ぐやのコンプレッサー」の威力で音の伸びが違う。
それにしても音が小さい。

きーーーーーーーーーーーーん♪

いつの間にかイットクがギターアンプ傍に待機。一挙にツマミを右側へ。

ぎゃあああああああああああ、スライドバーがフレット駆け上がる、きゃああああぁあぁあん♪

スローライッド!!

バンド全員参加。

ぎゃーすこ、があすこ、ごががんがガガゴンX4。

♪スローライ   敵に石(←Take It Easy)
 スローライ   敵に石(←Take It Easy)
 スローライ   敵に石(←Take It Easy)
 スローライ   敵に石(←Take It Easy)

 雨飲も  だくだく
 日が光り もう飲めません いえ

 んー、んー、スロライ

♪スローライ   敵に石(←Take It Easy)
 スローライ   敵に石(←Take It Easy)


 すろらい、難題 がたがた述べるなよ
 ほーみー、ほーみい、モンゴルのほおみー
 んごーーー

間奏

ツインリードー。
てろれー、てろれー、ててーてろーれ、てとたたたてろーらら、てとたたたー、てろれーろーら

 雨飲も  だくだく
 日が光り もう飲めません いえ

 んー、んー
♪スローライ   敵に石(←Take It Easy)
 スローライ   敵に石(←Take It Easy)

 すろらい、難題 がたがた述べるなよ
 ほーみー、ほーみい、モンゴルのほおみー
 んごーーー

おさむにスポットばっちり当たって怒涛のスライギターソロ。
うねるうねるこねるこねる、体もくにゃくにゃ、顔もほげほげ。いいかおしてるぞ。

 すろらい、難題 がたがた述べるなよ
 ほーみー、ほーみい、モンゴルのほおみー
 んごーーー

ドラムのみ全員絶叫
♪スローライ   こんなん(←go now)
 スローライ   こんなん(←go now)

 コレデイケルカイ?これで踊るかい?これで歌うかい?

 ベーイビ、あは ベーイビ、あは ベーイビ、あは ベーイビ、あは

 再びおさむショー

 テンポアップ。ショータの指がテンパってる。どどどどどどどどどどどどどどどど

 ケンが雄叫び
 ♪スロおおお〜〜〜ラああああーいド

 さんきゅ。

(フォガットのスロー・ライド。ライブ・バージョンお持ちでしたら聞きながら読んでください。)



うおーーーかっこええぞう、もっとやれーこのバカヤロー!!

と声もかかって2曲目も大受け。兄弟たちも楽しそうです。

おさむくん、思いのほかの反響でガラにも無く照れている。手を振ったりしてるぞ。

その時、舞台の袖で何やら。
ケンが気が付いて見ると、おさむくんショーの間は休んで引っ込んでいるアッコが何やら合図をしている。
両手を左右にのばして、うーんこれは時間引き延ばしてくれってことだ。

ケン「えっ!次はタッシュだから。2分ちょっとしか無いぞ。どうしろってんだ。
んんん、何とかなるか。おいおい。」
とドラムの前に全員集めて何やら相談。

1、2、3,4
♪じゃっジャジャーン、ジャッジャジャーン、じゃっジャジャーン、ジャッジャジャーン、

ZZトップの名曲、タッシュが始まった。

その頃、舞台袖ではアッコがおろおろ。
「まったくどこにいったのかしら。次が出番なのにフィルったらいったい。おじさん、ちゃんと来るって言ってたんでしょ彼。」
シロー「うん、最高にのってたからな。まさかすっぽかすことなんか無いとおもうんだが。」
「ちょっと探して来ます。曲、終わりそうになったら引き伸ばすように合図してね。」
「おいおい、伸ばすって言ったって。ああ、行っちゃった。とほほ。」

舞台袖から裏の方を探します。
するとカーテンの陰に人影が。
「あ、そこにいるのフィルじゃない?フィルでしょ。」
ビクっとして振り返る人影。
「あ、フィルだ。何してるのこんなところで。あ。泣いてるの。なんで・・・・。それにそのかっこ、まー」
と今度は吹き出す。
「アッコさん、アッコさん、すみません。準備ばんぜーんしたですけどけどけど。ほらこれ見て下し。」
「あら、何て。ひどいわ。どうして。」
フィルが持っているのは中央からポッキリと折れたベースギター模型。
「せっかく皆さんがいっしょけんめい作ってくらはったのに。こななってしまいました。ちゃんとみてなかた責任ありますわたし。」
「一体誰が?何か見た?フィル。」
「背中にコアラの絵が描いてあるジャンバー着てた人、逃げて行きました。」
「あー、やつらね。まだ懲りずに。くそー。
フィル、こうなったら仕方ないじゃない。無しで出るのよステージに。」
「あ、ベースギターならありますです。」
「え、何で」
「これで練習すると汚れると思ってサラリーで本物買いました。」
「何だ。え?それ普通逆じゃ無いの。ははは。それなら、それ使いなさい。さ、早く早く。もう曲が終わっちゃうわ。」

その頃ステージ上ではおさむくん、通常の尺の8倍スライド・ギターソロ取ってます。
やることなくなって寝転がって弾いてる。
ケン横目で舞台袖見ると・・・・・
アッコがOKマーク。両手でまん丸マーク。

よしとばかり全員に合図、一挙にエンディング。
あ、おさむだけ気付かずまだ寝転がって弾いてる。

ケン近づいていって頭を一発はたく

パコ。

気付いて止めるおさむ。ぽかーんとしてたら

客席大爆笑。大歓声。

どうやら演出だと思ってくれたらしく。案外なものでした。ラッキー。


ケン「ありがとうありがとう」


「お次の曲は・・・次の曲には・・・この人がやって来てくれました!」

舞台の袖から、桃屋店員フィル・コリンズ・アッテンボロー・ゴンザレス、すっかりフィル・リノットになって登場。キンキラキンのベースをかかえ、ラメ入りのチリチリ髪。衣装もラメ入り、ズボンはもちろんパンタロンだ。

「・・・・・」。場内あっけに取られる。
「あ、シンリジイの人だ!」 誰かが叫ぶと

わーーーー!わーーーーわーーーー。大歓声と拍手。

フィル、頭を掻きながら手を振る。
本物のベースを抱えて出て来たので、そしてあまりの衣装の凄さに知らなかった兄弟たちもぽかんです。
フィル、ショータに近づいて一言。
「すんません。ショータさん。この曲でボク、ベース弾かせてもろてよかですかい?」
「え?フィル、ベース弾けんの?」
「練習しました鬼瓦のように。」
「そかー。良いよ。じゃ心配だからもし詰まった時にサポートするよ。ここにシールド刺しな。」

ショータ君もモノがわかっていってるのか、いくらアンプに差込口が二つあるからといってやろうとしてます同時差し。

「俺はヴォリューム0にしてるから。わかんなくなった時だけ弾くよ。」
フィル泣きながら「感謝します感謝しまショータさん。あなたトモダチ。」
泣いたものだからアイシャドウ取れて真っ黒。
「わ、寄るな黒くなる。それはいいから早く早く。」
「あ、そうか。」

マイクに向かい
「皆さん、コンチーワ。やります。「奴らは街へ」」

1,2,3,4

♪じゃーん、たかたとんたたん、じゃーん、じゃああん
♪じゃーん、たかたとんたたん、じゃーん、じゃああん

お、けっこうやりますフィル君のベース。荒削りながらノリはばっちしかも。

♪私はフィルよ。フィルと申しましてもリノットじゃなくて
フィル・コリンズ・アッテンボロー・ゴンザレスと申します。
桃屋つう横浜のハンバーガー・ショップ兼ライブハウスでバーテン補佐をやってまして、そしたら兄弟さんに誘われまして何でもシンリジイつうバンドのフィル・リノ

奴らは街へ、奴らは街へ  じゃーん、じゃーん

奴らは街へええ、ええ、奴らは街へ♪

いくら原曲も早口だと申してもこれは無謀。それに増して早口で自己紹介してやがりますフィル。

♪ットに似てるそうで、いえね私は知らなかったんですけど見たらびっくり兄弟みたいじゃありませんか。それならってんでやろうと思いまして。ベースギターーは紙で皆さんが作ってくれましてそれで練習すると汚れると思いまして、それで給料で買いました練習用のベース、そしたらさっき

奴らは街へ、奴らは街へ  じゃーん、じゃーん

奴らは街へええ、ええ、奴らは街へ♪

演奏、ドラムとベースだけに。

♪奴らは街へ、奴らは街へ


♪奴らは街へ、奴らは街へ

ははあ、皆さん一緒に歌わない気だな。許しませんよフィルさんは。

じゃあこれでどうだ

ベイベーーーーーー(客席指差す)

しーーーーん

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(一人)

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(35人)

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(三千人)

やったー。

べいべいべべいべべいべ(客席指差す)

べいべいべべいべべいべ(750人)

べいべいべべいべべいべ(客席指差す)

べいべいべべいべべいべ(1550人)

べべべべべべべべべべべい(客席指差す)

べべべべべべべべべべべい(1020人)

部ばばべべびぶばぼびぼばずびずべいぼぶびばぶびぼべぼばぼん(客席指差す)

部ばばべべびぶばぼびぼばずびずべいぼぶびばぶびぼべぼばぼん(1人)

わー、凄い。(喜ぶ)

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(35人)

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(三千人)

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(三千5人)

ベイベーーーーーー(客席指差す)

べいべー(満場われんばかり)

ギターソロ突入。ケンとおさむ見事なトゥインリードだ。

奴らは街へ、奴らは街へ  じゃーん、じゃーん

奴らは街へええ、ええ、奴らは街へ

奴らは街へ、奴らは街へ  じゃーん、じゃーん

奴らは街へええ、ええ、奴らは街へ♪

アリバイのリフを挟んでエンディング!

じゃん。

「ありがとう!!」

ケン「フィル、最高!。みなさんフィルに拍手を。」

場内大歓声。
フィル、泣きながらシールドを抜き、ショータにお辞儀。
泣きながら兄弟たちにお辞儀。
泣きながら会場にお辞儀。   右手に去り際、コケた。

188

2005年10月07日

第15回「今夜決めよう」

015.jpg

ジリリリリリ〜ン、ジリリリリリ〜ン、ジリリリリリ〜ン、ジリリリリリ〜ン、ジリ
「うごうぐ、うーん。眠いー。」とがさごそ起き出したのはケンちゃんです。
まあ、今日は決戦の日ですから歯を磨いて顔を洗って鼻毛チェックしてメシを食って準備するのだ。
現在9時。10時に日之出町駅に集合なのでいささかあせっている。
「これでよし。・・・・よしかな。」
とその時
「おはようございまーす。」

「おい、婆さん、客じゃ無いか。」
「はいはい。・・・あ、アッコちゃん。迎えに来てくれたのかい。すまないねえ。」
「どうも。早かったでしょうか。準備出来てるかなケン。」
「はいよー。出来てる出来てる。」
と階段を下りてきました。
「ははは。お迎えですか。すまぬのう。」
「だってどう考えても心配だ。」とアッコ。
「なるほど。しかり。」
「なるほどかー!あ、バンダナ忘れた。」
「ほら、やっぱり。」

奥から爺ちゃんが「お、やるな彼女がお迎えか。まあ、今日は、今日は頑張ってこいや。」
珍しく真面目な顔で。
「うん、わかった。やるだけやってくるわ。」
「おい、婆さん。婆さんも何か言ってやれや。・・・出てこんわ、まったく。まあ、あれでも昨日は随分心配してたんじゃ。気持ち汲んで頑張ってこい。」
「はーい。」二人揃って。

駅に向かって歩く二人。
「お婆さん、バンドに反対なの?」
「うん、まあね。最初に言わないで勝手に楽器買っちゃったから。まあ、ずっと面白く無いみたい。」
「ふーん。」
「ま、しゃあないわ。いいって聞いても反対されただろうし。兄貴が出来がいいんでまいっちゃうわ。」
「ほんと出来悪いからねえ。」
「このやろー」

と言ってるうちに駅の前。既にいるのはショータにおさむ、そして
「お、ショータ君、早いねえ感心感心。ところであれ、ほんとの兄弟は?」
「それがまだ来てないんだ。」とおさむ。
「時間はちゃんと言ったよな。」
「はいキャップ。言いました昨日確かに。」
「そうか。あいつら滅多に遅れないのにおかしいな。」

10時10分です。
「うーん。困ったな。11時半までに受付に行かなければいけないんだろ。そろそろ電車に乗らなきゃ。」
おさむ「電話してこようか?」
「そうだな。」
とその時、
「すんまへんすんまへん。ようけ遅くなりまして。」
「あー良かった。どうしたんだ。遅刻なんて珍しいじゃんか。」とケン。
「おはよう。Tシャツ、似合ってるねマコちゃん。」とアッコが声をかける。
ニコっと笑うマコ。
イットクが「すんまへん。とりあえずはよ電車のりましょ。事情は中でお話します。」

全員、キップ買ってホームへ。すぐ来た普通電車に乗って横浜に。すぐ2駅だから着いちゃいます。
急いで横須賀線に乗り換えて一路新橋へ。
これまた丁度電車が来たので急いで乗り込む兄弟たち。
ケン「これで何とか間に合いそうだな。それで何かあったのか。」
イットク「へい。実は昨日いきなり親が家に帰ってきはりましてん。」
アッコ「親って。いつもいないのイットク君ちは?」
ショータ「こいつんち、親が商売でしょっちゅう外国とか行ってるんです。そうだよな。」
イットク「うん、まー、そうゆうことで。二人で取締役だから責任あるみたいで。まあそれはそれでけっこう自由に出来るんでええんですけど。いきなし帰って来まして。どこからかバンドのこと聞いてましてお前はともかくマコまで引っ張り出して何事やとそりゃもう説教説教で。まいりましたわ。」
おさむ「そうかー。そりゃ大変だ。それじゃよく今日出て来れたな。」
ショータ「はい。お手伝いはんがええ方で。ずっと面倒見てくれはる人なんですけど、バンドも応援してくれはって、こっそり裏口からさっき出してくれました。」
ケン「おいおい、それじゃその人、後で大変なんじゃないか。お前たちも。」
「まー、だいじょぶでっしゃろ。あの人がいるんで家がちゃんとしてるんですし。わてらも優勝でもすりゃ逆に鼻高々じゃないかと。頼みまっせ。みなはん。今日はだから優勝しないと困りますー。」
全員「OK!そりゃだいじょぶだー。」
ケン「いかん。電車の中だ。」
と再び小声で・・・

「だいじょぶだー。」。



電車はけっこう混んでて座れません。全員立ってたんだけど大森で入口脇二人掛け席の一つが空い
たんでマコを座らせます。
ケン「はい。レディ・ファーストだからどうぞ。」
スタタと座るマコ。アッコを指差してる。
ショータ「はは、この方?この方はレディーとゆうよりもーー・・・」
ばこっ
ショータ「いてーなあ、アッコさんまだ何も言って無いのにー。」
アッコ「どうせ私はレディじゃありませんよーうっだ。」
ケン「どーどー、レディさん。堪忍してやっておくんなましー。」

などとふざけてるうちに新橋に到着。
おさむ「皆の衆、着きましたぞ。ささ。ささ。」
全員「はーーーい。」

改札を出たところで
イットク「ここからけっこう歩くんでっしゃろ?どっちへ行けばええんかい委員会。」
ケン「えーっと。地図を見ますと日比谷公園はあっちだな。さあさあ行こう遅れちゃう。若いからあっちゅうまだぞ。」

てくてくてくてく10分あまり。
すると
「おーーーーーい」
窓から顔出して声をかけながら車が通過。
ショータ「あ、あれハナさんだ。凄いマイクロバス!。乗せてもらえばよかったすねえ。」
ケン「駄目駄目。けっこうロートル陣いるし。楽器もあるからあれでもけっこう一杯だぞきっと。」
おさむ「そうだな。それよりおじさんたち遅れなくて良かったじゃないか。」
アッコ「そうね。これで一安心。」

さらに
てくてくてくてく5分あまり。公園に入ってしばらく行く

ケン「お、ここ、ここ。さてと受付はどこかな。」
アッコ「やっぱり楽屋のほうじゃないの。とすると裏の方かも。」
ケン「そうだな。行ってみよう。」

おさむ「あ、あそこあそこ。あれーあそこに立ってる人は〜〜」

「やー、君たちやっと来たね。待ったよ待ったよ。何たって優勝候補だから。ははははははは。」
「はははははははって大泉さんじゃないですか。どうしてここに?」
地区大会で親切にしてくれた主催のヤメハの職員さんが大泉さん。
「はははははは。ボクけっこう偉いんだから。今回は会社代表して審査委員長。君たちのことは大好きだけどそれはそれ。厳正に審査いたしますからそのつもりで。さ、さ、ここに名前書きなさい。」
ケン「はい、今日はよろしくお願いします。ほらみんなも。」

全員で「よろしくお願いしまーす。」

大泉「ははははは。いいねえ若いってのは。元気で。あ、そうそう、そこにね、はい書いて。はい。いいよ。はい。それで。はははははは。あ、そうだ実は頼みがあるんだけど。君たちが出番最後なんだ。それでね。リハーサル最初にやってくれない?音合わせもやるんで協力してくれないかな。」

ケン「はい。もちろん。僕たちに出来ることがあったら何でも言ってください。」
おさむ「は、いいけれど。おじさんたちはまだなのかな。」
ケン「大泉さん。僕たちより先に中年のラッパ軍団がここに来ませんでしたか?」
大泉「いや来ないよ。君たちのバンドの人達なの?あ、ほらもしかしてあの・・・・」

じゃーーーーーん

「中年のラッパ軍団は無いよー、ちみい。」
中年のラッパ軍団揃って登場。

ケン「あ、植木さん。ごめんなさい。どうもうまく形容できなくて。」
ハナ「がはは。まあそれには間違い無いからなあ。よっしゃよっしゃ。」
シロー「いやー、参ったよ。駐車場がわからなくて。ぐるぐる廻っちゃったわ。」
汗をふきふき。
「そうだったんですか。ご苦労様です。」とケン。
「それで最後出番で逆リハだそうで早速なんですけど。いいですか。」
イカリヤ「ういーっす。こっちは大丈夫。行くかどーんと。」
大泉「これは凄いメンツなんだねえ。じゃ楽屋はこっちだからその辺り、うん、そこでいいよ。
じゃ頼んだよ。準備出来たらステージに行ってね。あと5分で出来るかな。」

ケン、シローおじさんに目で合図。うなずくおじさん軍団。
「はい、大丈夫です。」
ケンはきっぱりと答える。

ショータ「えー、5分ですかー。ピース・バッジ全部付けられないっすよー。」
ぼかっ。
「いてー。見て無いのに凄い命中率。」
後ろ手でドツくケン。
おさむ「バカだなあお前。リハなんだから衣装はいいの。」
ショータ「えー、気分出ないなあ。ってみんな用意早いですねえ。ボクもしなけりゃ。」

いざ、ブギ兄弟今日の戦いの始まり。


そそくさと準備してステージに上がる兄弟たち、と桃屋オールズターズの親父達。

「おはようございまーす。よろしくお願いしまーす。」
と生意気にも業界時刻用語で各自三々五々に声掛け。

すると

「遅ぇんだよ。何時だと思ってんだ。早く準備しろよ。」
とおっかない声でPAのお兄ちゃんが。(役:管貫太郎)

ウエキのおじさん、むっとして食って掛かろうとするところ、イカリヤさんが手を振って抑える。

ケン「すみません遅くなって。何から始めましょうか?」

PA:管「何からって決まってんだろ。マイクだ。マイク。声出せ。」

ケン「はっ?」

PA管「声出せってんだ。音決めるから。」

ケン「はい。チェック、チェック。只今マイクの試験中。あーあー。」

PA管「馬鹿。明治時代じゃねえよ。まあいいか。次、隣のお前。」

おさむ「あ、ボク?。はいはい。チェック、チェック、あーーー、出てますか。」

PA管「次。ハーモニカのボク。音出せるかなーボクちゃん。」

イットク、むっとした顔をしながら「パプー、パプー」。

PA管「よし。あんまりマイクにツバかけるんじゃねえぞ。弁償させっからな。次、そこのラッパの親父達。」

これには今度はイカリヤさん、形相変えて。それをウエキさん抑える。それ見てキシダさん笑いこらえて。

一人一人、ぷー、ぷー、ぷー、ププパポと出して全員で

ばーーーーっ。

凄い音。生音だけでいいくらい。

PA管、少々びっくりして「あ、よしよし。それはそれで良し。次はギター・アンプ。」

シローおじさんが最初に引く。♪ぷりぴろぱらぷりぷろぷろぷろ〜。
凄いプロの音だ。アンプの音を絞ってシールド抜いて、ケンに
「ボリュームは8だよ。覚えておきなさい。」
「はい」。ケンが次にシールド指して
♪が、が、が、が、が、ぐぎょーん、アマアマアマ。
アマの音だ。しかし若さ抜群。

PA管、「よし。次もう一台のギター。」
おさむ「はいはい。」ケンが寄って行って「ヴォリュームは8だよ。覚えておきなさい。」。

♪ぎょいーーーーーーーーーーーーーーーーーん。スライドでひょいーーーーーーーーーーーーん。ひょ

PA管「O−K。やめ。次はベース。」

これからばりばり弾こうと思ってたとき止められてずっこけるおさむちゃん。

ふと見ると横でショータが変な動きしてる。ぶるぶる動いて踊ってるかのようで。

ケン「ショータ、お前何踊ってるんだ?」

ショータ「お、踊ってるんじゃあ、ありません。こここ興奮して、あああああ上がっちゃってああああ。」
シールドをアンプに刺そうとしてますがなかなか刺さりません。

ショータ「くくくそ、ははは入らないぞ。ちちち小さいんじゃななな無いかここの穴。」

PA管「何やってんだ兄ちゃん。早くしろよ。棄権させるぞ。ぐずぐずしてると。」

それ聞いて益々焦るショータ。とんでも無く踊ってるみたいに見え。

「こら。何ふざけてんだ。もうやめやめ・・・。お前らもうコンテストなんか出るな。」

大変です。ブギ・ブラザース。退場処分になってしまう。

「ちょっと待って。そうあせらないでねお兄ちゃん。」と前に出て来たのはウエキさん。
「ショ−タ君!」
「は、は、はいっ。」ぶるぶる震えながら返事してます。
「き・み・な・ら・出来るっ!!」とでっかい声で言いながら両手でショータの両肩を

パン!!!!

ふにゃふにゃふにゃ〜としましたショータ君。

「びっくりしたなあ。やめてくださいよウエキさん。あれ俺どもってない。あれ震えも止まった。あはは。」
「どうだ。効き目は?もう大丈夫だろう。」
「あはは。だいじょぶです。どうもありがとうウエキさん。さすが大ベテラン!。」
「ま、ま。礼はいいから早く音出しなさい。おっかないお兄ちゃんが睨んでるよ。なあ。  
おい、兄ちゃん。今音出すから。待たせたね。」

PAの管さん「何が兄ちゃんだ。ふざけやがって。」

べんべん、べこべこべこべこ♪
ショータ君、憑き物取れたように快調に音出します。

PA菅さん「よし。それでOK。」

♪べこべこべこ、ぶおん、びろろろろ、ぱっつんぱっつん

「よーし。それでOKって言ってんだろこら。いつまでやってんだおら。」

♪ぶ

「あははは。うまいでしょ。あ、あ、すんません。つい調子に乗っちゃって。あは。」

くすくす笑うケンとおさむ、アッコ。

イットクはマコのとこに行って椅子の高さとか調整してやってます。

「バカ。じゃ次はドラム行くか。バスドラア。バスドラ音くれ。」

♪ぺん、ぺん、ぺん

「ちょっと待って。まだペダルの準備が・・・」とイットク。

PAの菅さん「こらあ。音が小さいぞ。何やってんだ。まったく。そんなガキに叩かせるなんて100年はえーんじゃないのかあ。」とペっとツバを吐きました。

イカリヤさん、真っ赤になって
「おいおいおいおいおい、黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって。PA屋かなんだかしらねえけどんなことばっかほざいてたら出しちゃうよあれ。出しちゃうから。」

「何だお前は。出せるもんなら出してみろってんだ。」

イカリヤさん脇に置いてあったバッグからいきなり何か取り出して

「ひかえおろう。この黒スティックが目に入らぬか。」

じゃーん。カメラ慌てて寄ります黒スティックに。PA管さん、目をぱちくり。

「何を隠そうこのお方は、先の日本ジャズ界で上に立つものはいないと言われた名ドラマー、ハナ”ウルトラロール”ハジメ様だ。一同の者、頭がたかーああい。」

「へへえ」と言ってブギブラザース全員、コウベを垂れます。

ハナ「あ、何、俺?俺のこと?・・・・あっと驚くタメゴローっとくりゃあ。じゃなかった。ごほん。そうじゃ、わしがハナじゃ。コラっ。お前っ。どこのPA会社のものだ?ああん。新宿音響?
そうじゃ。ヒデジ。ヒデジがおるだろう。ヒデジを出せ。」

PA管「社長、社長。なんだかあいつらが呼んでますよ。」

隣でかがんで線を整理してたおじいちゃん(役:大滝ヒデジ)、おもむろに起き上がって「え、なんだい。呼んでる?・・・お、おうおう。ひさしぶりー。ハナさんじゃ無いですかあ。あの節はそりゃもうご贔屓に。久し振りですねえ。何やってるんですか、こんなとこで?」

ハナ「おお、いるじゃないかヒデジ。元気そうで何より。どう?これから一杯?」
隣でイカリヤが横腹突付く
「あはは。そうじゃなかった。何だヒデジ、お前のとこはそんな無礼なミキサー使ってるのか。本来なら打ち首獄門なれど、今日は忍びの身じゃ。表ざたにせず・・・」

ヒデジ「いやー。すまんことですこの男、腕は確かなんですが・・・」

ハナ「最後まで決めさせてくれよー。」

ヒデジ、聞こえない振りして「口が悪くてねえ。ご迷惑おかけしました。こら管、このお方はそりゃーー偉い方なんだ。お前が直接口をきける方じゃないぞ。・・・ああ、いい、いい。わしがやるから。そう、このバンドだけはわしが卓に座るって。お前はそっちでケーブルでもさばいてなさい。」

管、急にへりくだって「へ〜〜〜〜い。」

ハナ「わかればよろ・・・・」
ヒデジ「はい。お嬢ちゃんがドラムやるのかい?かわいいねえ。はい。ちょおっと音くれるかな。」
ハナ「言わせてくれよー」

♪ドンドン。

ヒデジ「はい。OK。次スネア。あ、はいOK。次はタムね。はいOK。じゃちょっと適当に叩いてみて。」

♪どんどきゃあ、ずどだだだだどんぼかべこーん。

凄いドラム・ソロだー。

ヒデジ目をまん丸にして「はい、いいよー。いいねいいねえ。いやーさすが血は争えませんねえ。お嬢さん、素晴らしい腕前です。」

頭をかく、マコ。

ハナ「いや、この子はワシの娘って訳で無く・・・・」

ヒデジ「はいー。じゃお兄ちゃんたち。曲頼むよ、期待してるからね。リハは1曲だけでいいね?上手いからだいじょうぶっ。」
とニコニコしながら言うので、思わずケンちゃん
「はい。大丈夫です。」って言っちゃった。

おさむ「おい、1曲だけで大丈夫か?」
ケン「しょうがないよ。だいぶ押してるみたいだし。1曲目のあれならみんなで音出すからいいだろう。

さあ、みんな、いいか。1曲目だ。

1,2,3,4

♪ぱぱぱぱぱぱぱ

何はともあれ強力な味方を見つけた兄弟たち。何とかリハも無事に終わりそうです。

181

2005年10月03日

第14回「前夜祭」

014.jpg

いよいよ明日が決戦の日の土曜日の午後。桃屋にて。全員ブギ兄弟指定席机周りに着席中。
おさむ「明日だな。」
イットク「明日でんねん。」
ショータ「明日なんですか!」
ケン「明日だよ。」
マコ、ニッっと笑う。

アッコ立ち上がって「明日よ。明日。明日なのよ。」

ケン「あーーー、びっくりした。何だよ。大声で。」
アッコ「だって明日じゃない。何か忘れてる気がする。」
おさむ「なんだろう。」
イットク「なんですねん。」
ショータ「な・・・」

さえぎってアッコ「そう!。衣装。衣装よ。私たち何にも考えて無いじゃない。」
おさむ「衣装かー。全然思いつかなかったよ。」
ショータ「いんじゃないですか。男どもは。どうせむさいし。いつも通りで。」
イットク「アッコはんはめかしてくれなはれ。マコも綺麗なベベ着せたるからな。」
コクンと頷くマコ。
アッコ「そうはいかないわよ。決勝よ。TV中継もあるじゃない。一応は何か考えないと。」
ケン「えーーーー、TV中継なんかあるのかーー!」
アッコ「知らなかったのー。」
ケン「そうかそれはまー、少しは考えないといけないかも。」

・・・・・・


全員で考え中。


アッコ「考えててもしょうがない。予算は?あるの?」
ケン「無い。」
おさむ「無い。」
イットク「あらへん。」
ショータ「ありま・・・」
さえぎってケン「そうだ。アッコ。おじさんに頼んで見てくれないか。アッコの言うことならきっと聞いてくれるだろ。」

カウンターでシローおじさん、不吉な気がしてこっちをちらちら見てる。いきなりくしゃみ。
「はっくじょんんん。ちくしょー。」

きゃははと全員で笑う。
アッコ「しょうがないわねえ。駄目かもしれないけど行ってみるわ。」

アッコ、カウンターへ

「お・じ・さーーーん」
「何だ。何か気持ち悪いな。変な声出して。」
「ええとお、明日決勝でしょ。」
「ああ、知ってるよ。」
「でね。TVもあるし、みんなで衣装揃えようと思ってるんだけど。」
「おお、それはそうだ。ワシたちはみんな、最高のカッコするよ。お前たちも恥ずかしく無い格好にしなさい。」
「でもお、お金が無くて買えないの。・・・・・ちょうだい。」
「しまたー。ごっほん。色々機材とか買っちゃってねえ。無いんだよお金。うーん。」
「えー?少しでもいいからー。」
向こうの机で全員が手を合せて拝んでる。

シロー、もだえながら
「ええい、仕方が無い。ちょっと待ってな。」
と手を洗って
「フィル、ちょっと出てくるから店お願い。」
「はい、ガテンだー。」

30分経過。

ケン「おじさん、どこ行ったんだろう。」
おさむ「まさか、借金しに行ったんじゃないだろな。」

とそこに帰ってきたシロー。何やら袋も抱えて上機嫌である。

「いやー、君たちお待たせ。ほらこれ、これ使いなさい。」
と一万円を。
ケン「えーー?これどうしたんですか。」
シロー「えへん。これはな。これよ。」と指を弾く仕草。
イットク「わ。まさかパチンコ!」
鼻の下掻きながら「へへ。まあな。」
おさむ「おじさん、凄い。30分で一万円・・・・とチョコレート。これで食べられますね。」
アッコ「ねえねえ、30分で一万円ならもう一回行ったら2万円になるじゃない。おじさん、さあさあ、行ってきて。ねえ。」
「いや。そうはいかないんだこれが。引き際ってものがあってね。これが一杯一杯。まあこれで勘弁しておくれ。」
ケン「いいよアッコ。おじさん、いつもありがとう。助かります。」
全員でペコリペコリ。
「いやー、これぽっちで感謝されても恐縮しちゃうんだけど。ははは。」

ケン「さあ、この一万円でどうするか。」
おさむ「一万円だからなあ。」
イットク「6人で一万円でっせ。」
ショータ「いちま・・・」
さえぎってアッコ
「そうよ。こうゆう時はパンク姉さんよ。」
全員「パンク姉さん?」
アッコ「さあ、出かけましょう。時間無いわ。」



アッコに引っ張られるように全員、近所の雑居ファッションビル、オデオに突入。
1階のとある店に向かって一直線です。
「さー、ここここ。  すみませーん。パンク姉さんいますか。」
「あ、パンクちゃん?今ちょっと使いに出てるけどすぐ戻るわよ。」
「はい。じゃちょっと見てていいですか。」
「もちろん。どーぞどーぞ。」

ここはセント・ジュリアンとゆう古着、キャラクターもん、などなどごちゃごちゃ置いてますお店。
どうやらアッコは常連らしい。

おさむ「何しろ1万円だからなあ。一人当たり1500円だろ。一体何が買えるんだ。」
ケン「え?1500円ってお前。1,2,3、6でかけたら9000円じゃんか。残りの1000円は
どーすんだ。」
おさむ「それは、まー、あれよ。打ち上げ用缶ビール代。」
イットク「ぎゃはは。そりゃ最高。自分、それのりましたわ。」
アッコ「ばーか。そんなことばっか言ってないで少しは真面目に探したら。」
ショータ「はいっ。ボク探してました。先輩、これなんかどうでしょうか?」
ケン「ん?何それ。何だスマイル・バッジじゃんか。」
ショータ「はいみんなでスマイルつけましょー。今70’sだし。著作権ふりーだし。」
おさむ「やだよ俺〜。」
ケン「うーん、俺もやだなあ。」
ショータ「えー、アッコさんは?」
アッコ「うーん、私もやだなあ。」
ショータ「げ、せっかく見つけたのに。安いから俺自分で買ってつけちゃおうかなあ。」
ケン「ええい。もう勝手にしなさい。」
ショータ「はーい。」
と両手にどっさり持ってレジに直行してます。
ケン「おいおい。あいつ。あんなに一杯どこにつけるんだ。」
おさむ「本番で楽しみがまた増えました。はははは。」

などと馬鹿言ってますと

「あ、アッコちゃん、久し振り。今日は何?」
とパンク姉さん、帰って来ました。
「あ、こんにちわ。実は明日決勝なんです。」
パンク姉さん(オカダ川井演ずるスージー・すー)「あ、そうだったわね。頑張ってね明日。」
「はい。ありがとう。それでですね。問題が明日の衣装でして。みんなで着て何か良いのが無いかと
思って。」
「そうなの。で、予算は?」
「それがみんなで一万円なんです。」
「いちまんえんー?6人で。こりゃ難題だわ。」
「何かありますかねえ。」
「うーん、そうなるとTシャツなんかどうかな。安いし。」
「Tシャツですか?どんなのありますか?マコちゃんのサイズもあるかなあ。」
「あ、この子が話題の少女ドラマーね。はじめまして。」
微笑んでコクンとお辞儀するマコ。
「まー、かわいい。昔の私みたい。今、ぴったしの探してあげますからねー。」
と奥へ行ってごそごそやってます。

「あー、ごめんー。今6着揃ってるのとなるとこれしかないの。いいかなあ。」

ケン「わ、シューマイくんだ。」
おさむ「うお、シューマイくん。」
イットク「これがシューマイくんでっか。」
ショータ「おおお、シュ」
さえぎってアッコ「わー、かわいい!。最高ですこれ。これでお願いします。」

小声でケン、おさむに向かって「おいおい、どうゆうセンスしてんだアッコ。これ、シューマイ弁当
のキャラのシューマイくんだろ。こんなんでいーのかなあ。」

アッコ「え、何か言った。かわいいじゃない。みんなで着ましょう。横浜代表だし。」
全員「は〜〜〜〜〜い。」

パンク姉さん「ほんとにこれでいいの?ごめんね、みんな。うーん、じゃバンダナ一つづつ付けちゃ
おう。」
アッコ「え!ほんとですか。みんなバンダナだって。Tシャツにクビにバンダナ。これでちょっとし
たものだわ。」
パンク姉さん「下はどうするの?」
アッコ「もうお金も無いし。みんなGパンの一つくらい持ってるでしょ。うん。それにしましょう。」
姉さん「そうね。それならきっと似合うわ。じゃちょっと待ってね。」

ガサガサガサ。

姉さん「はい。お買い上げサンキュー!」
アッコ「はい、じゃ一万円。」
姉さん「明日、頑張ってねー。後で行くからねー。あ、いけね。」
アッコ「あとで?   ありがとうございます。じゃあまた。」

衣装もバッチリ揃った兄弟たち。そう言えば決めなきゃいけないことあるなあと思いながら店に飛ん
で帰ります。どどど。


買い物すんで日が暮れて、あ、日はまだ暮れてないや、4時ごろですまだ、桃屋に帰ってまいりました兄弟たち。

イットク「あ、なんや。店の前にフィルはんが立ってまっせ。」
ショータ「しかも仁王立ちで。」

フィル「あ、みなはん、帰ってキタネ。あ、入っちゃダメヨ。マスタが用があるから誰も入っちゃダメだって。帰った帰った。」
ケン「帰った帰ったって。もう。今帰って来たんだけど。どこへ帰るんだよ。って俺も訳わかんなくなっちゃた。」
フィル「6時になったらまた来なさい。そう言ってたね。マスタ。時間厳守だそうです。」
おさむ「なんだろな。まあ、しょうがない。みんなたまにはうちにでも来るか?」
ケン「そうだな。中途半端な時間だし。行くか。じゃフィル、6時にまた来るから。伝えといてね。」
フィル「ご苦労おかけしやんす。また来い。」

とゆうことで全員、おさむの家に向かいます。
おさむ「ただいまー。ってまた出かけるんだけど。」
マナミ姉ちゃん「あら、みんな。珍しい。」
トクエ親父「おう、来たか。あれ今日はあそこで・・・」
マナミ「あ、父ちゃんそれ言っちゃいけないんじゃないの。」
「あ、そうかそうか。」
おさむ「なんだかなあ。ちょっと2階で。いいよね。」
マナミ「いいよ別に。お前の部屋なんだから。でも汚いんじゃないの。」
おさむ「馬鹿言え。綺麗好きだけが俺の取り得だい。・・・・ちょっと待ってくれみんな。」

どすどすどす
階段駆け上がるおさむ。
どったんばたん、がちゃこん、どだだだ、どすん、ばたーん。

どどどどどどどど。
「はあはあ。いいよ上がっても。」
マナミ「ほらね。」
ケン「ははは。失礼します。」
全員「失礼しまーす。」

ケン「お、綺麗じゃんか。」
おさむ「まあな。」
ショータ「へへへ。きっとここに秘密有り。」
とフスマに手をかける。
ボカっ。
すかさずおさむタックル。
「ははは。そうゆうことはしない。追い出すぞ。」
「ひえ。もうしません。許してーー。」
「まあ。許そう。諸君テキトーに座りたまえ。」
ケン「たまえですかい。」
全員で爆笑。

ケン「思えばこの部屋から始まったんだよなあ。」
おさむ「そうだな。それがまあこんなことになっちゃって。」

アッコ「あ、そう言えばそもそもの成り行き聞いてなかったっけ。」
ショータ「そうですそうです。何でバンドやろうと思ったんすか。」
ケン「言ってなかったっけ?。ええとこいつと再会したのはそもそもロッド・スチュワートのコンサートなんです。」
おさむ「なんですってあらたまみちよ。そうそうライブの後で武道館のトイレで偶然会ったのです。」
ショータ「臭い仲でんなあ。」
ばこっ。
ケン「それでその時こっそり録音したテープを一緒に聴こうってことでここで有って。」
おさむ「聴いてるうちに盛り上がって、この生ギター取出して・・・」
ケン「ホット・レッグスをやりだした訳さ。」
アッコ「へえ。面白い。やってみて。ほら。」
ケン「えー、やるのか。何か恥ずかしいな。ではホットレッグス。オリジナルバージョンで行きます。」

♪フザノッキンオマドー、ガタビアカタトゥフォー
♪イズイットユーアゲン、カミランフォモア

みんなも歌声に参加してしまった。

♪ウェユキャラッミーツナイフユウォン
バットインザもーにんメイクシェユゴーン
アイトーキントゥユ

絶叫!!

ホットレーッグス!ウェリンミアウー!
ホットレーグス!ユキャンすクリーミンシャウ
ホットレーグス!アーユースティルインスクール。

「おーーーーい!」
下から声が

ケン「ぐげ」

「おーーーい。何やってんだ。ラーメン出来たぞ。降りてきて食べなさい。」

おさむ「あー何だ。びっくりしたなもう。」

ケンとおさむ以外、みんななんだかわからないけど爆笑。
ケン「さあ、食べにいこうぜ。」



「あー美味かったー。」とケンちゃん。
「げふー」
アッコ「誰、今の?」
おさむ「そりゃもうそうゆうのはショータだな。」
ショータ「ま、まさかっ!    僕です。」
アッコ「お下劣ねえ。女の子にもてないよ。」
ショータ「いいんです。僕の恋人は今、・・・今、あ、ベース、店に置いてきちゃった。」
ケン「確かに。だっこするみたいに弾いてるからなあ。」
一同爆笑。

ケン「ところで今何時だろ。」
おさむ「まだ1時間くらいあるなあ。」
アッコ「じゃあ、いつもご馳走になってることだし。お店何か手伝おうよ。」
おさむ「えっ!冗談!いいよいいよ。」
親父「何がいいよいいよだ。いい心がけじゃないか。お前もたまにはそうゆうことを・・・・」
おさむ「わ、わかった、わかった。諸君、ケンとショータは皿洗い、残りは店の掃除でもしたまえ。」
親父「何だそりゃ。お前は何するんだ。」
おさむ「俺はそのいつもしてるから・・・監督よ。」
一同オーノー。手を広げてオーノー。
親父「馬鹿ゆうな。お前もここ。」
おさむ「あ、皿洗いね。はいはい。わかりました。」

40分経過。

おさむ「よーし、まあこのくらいで勘弁してやろうか。」
親父「わはは。君たちもういいよ。皿も綺麗になったし、店も綺麗になった。ごくろうさま。」
ケン「さてと、じゃ行くか。」

そこへ出前から帰ってきたマナミ姉ちゃんが店の中に。
「あら、外がやけに綺麗だと思ったら中もこんなに。  あ、そうお前たちがやったの。へえ珍しいことを。明日、優勝しちゃうんじゃないの。」
と一挙に。
おさむ「はいはい。もちろん優勝しまっせ。では諸君、行きましょか。」
親父「あ、すぐ店閉めていくから。」
マナミ「あ、父ちゃん、それは。しー。」
おさむ「何で親父が来るんだ?」
親父「あーははは。何でも無い。早く行きな。ほいほい。」
おさむ「何も追い立てなくたって行くよう。」

全員、桃屋に向かいます。
ケン「ちょうど6時2分前か。いいだろうな。行こう。」
と入口ドアを開けて中に。

中に入ると何故か既に沢山の人また人。
一瞬空気が凍って・・・・

1,2,3,4
♪ゴ・セイブザ・クイーン
♪馬鹿者だー
♪ゴ・セイ・ザ・クイーン
♪ぽこぺんぺん

物凄い爆音でパンク・ロックが始まった。
兄弟達はびっくりして入口閉めたとたんそこで立ちすくんでます。
おさむがケンに「こりゃいったいなんだーー。」と耳に口つけて。
「わかんねー。」とケンも同様に。
「歌ってるのはありゃ・・・・」とおさむ
「パンク姉さんだー!!」

♪ごーーーーーせーーーざ
♪ごーーーーーせーーーーざ
♪ごーーーーーせーーーーざ・くいーん。くいういーーーん。くううううういーーーん

♪デストローーイ。
どかん。

パンク姉さん「やー君達!お帰り。明日は頑張れよー。今のが私たちみんなの応援歌だ。」

ケン「デストローイって。ははは。凄い応援歌だなあ。」

壇上に続けて立ったのは・・・

ショータ「わ、校長!。何でまた。」

ショータの学校の校長チエゾウ「わはは、驚いてるな森川君。私は校長じゃ無いぞ。ただの君たちのファンだ。さあ、シロー君、彼らにそのジュース、あコーラか。何でもええわい。早く渡して・・・君たちの明日を応援するため皆集まったんだ。感謝しろよ。よしよしコーラ持ったな。はい。理事長、お願いします。」
ショータの学校の理事長りゅうち衆「あー君達。」
ショータ「わ、理事長まで」
「あー君達。不肖わたくしが乾杯の音頭をとらせていただきます。よこはまー、えと何だったかね、あ、よこはまーフギーブラザースの健闘を祈りまして、・・・・・

乾杯!

かんぱあい!かんぱああい!頑張れよ!がんあばれい!

チエゾウ「明日優勝したらたっぷり祝賀会やるからな。今日は簡単に食事だけだ。さあゆっくり食べて早く帰ってゆっくり寝て、明日に備えなさい。」

ブラザースの面々、あまりに感激して言葉が出ません。
廻りを見れば
ジャックさん、ヤマモトさん、オサムさん、アキラさん、みんな微笑んでます。
植木さん、キシダさん、ハナさん、イカリヤさんも
そしてナリタ刑事とイシバシ刑事まで

振り返るとシローおじさんがうなずいてます。
いつもの席に座って

「いただきまーす。」

全員で食べ始めました。
「よっしゃあ俺も喰うぞう」って声はアキラさん。

その時、店のドアが開いて
「おおお、間に合ったか。ぱぱぱパンコ・ロックてのに」
と飛び込んで来たのはおさむの父ちゃんです。
「何だ。さっき言ってたのこれのことだったんだ。」っておさむ。
「あら、終わっちゃったのね。でも食事には間に合ったみたいだから良かったわ。はいはい。いただきまーす」と急いで食べだしたのはマナミ姉ちゃん。
「あら美味しいわこのエビフライ。ばくばく。このお肉もいい味ねえ。」
親父「こら。年頃の娘がそんなにがっついて恥ずかしい。」
姉ちゃん「あら、いいじゃない今日は無礼講でしょ。美味しいわあ。ばくばく。あ、う、お、ぐげ、ご」
といきなり目を色黒させて虚空をつかみ出し「わ、どうした姉ちゃん。」
「水、つまた、水」
アッコが慌てて「はい、これ。これで。」
マナミ、一挙にごくごく。「あー助かったーーー。はいいけどこれビールじゃない。はい。おかわり。持ってきてー。」

店中それ見て爆笑。

ケン、植木さんを見つけて「あ、植木さん。明日のことなんですけど・・・」
「明日?ああ、わかってるって。この前の進行通りやるんだろ。まかしとけって。
「それよりもう一人明日助っ人加わるぞ。おーい。タニ君。」
「タニさん?」
呼ばれてトイレから出て来たのは
おさむ「あ、あの時のタクシーの・・・」
アッコ「運転手さんだ。」
ケン「そう言えば昔、ミュジシャンだったって・・・」

タニ「ははは。この前仕事が終わって来て見たら植木さんたちが演ってたから。びっくりしたよ。」
植木「タニ君は昔の僕らのバンドのメンバーだったんだ。」
ケン「そうだったんですか。で、楽器は?」
タニ「これさ。」
後ろ手から取り出したのは長ーーーいラッパ。
タニ「トロンボーン!」
♪ぽぱぱぱぱぽぱああ

ケン「わ、凄い。でも明日いきなしで大丈夫ですか?ご迷惑なんじゃ。」
植木「なーに、大丈夫大丈夫。昔はいつも楽譜初見でやったもんだ。そのへんは抜かりないよ。」

ケン「じゃみんな!

「よろしくお願いしまーす。」

最強の助っ人を得た横浜ブギ・ブラザース。明日の準備はもう万全です。


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2005年09月28日

第13回「スカウト」

013.jpg

コンテスト決勝の日まで2週間であります。
今日も今日とて兄弟たちは桃屋でライブ決行中。ショータの問題も無事解決、絶好調なのだ。このところ毎日毎日ライブ、よくまー同じ曲やって飽きないものだわと思いきや、どーんと楽しんでるぞ。飽きてるって言えばとっくに飽きてるけど、そこはやってるのがブギィつう特殊音楽、やればやるほど別な世界に突入だ。
今日も今日とてその別な世界に突入した桃屋で突入した兄弟とぐんぐん増える突入したお客さんたちでライブ決行中。
コンテスト決勝の日まで2週間であります。

「きゃああ、いいぞーアッコちゃん。すってっきいい!」

「なんやあのおっさん、また来とるがな。ういとるわなあ。全く。」
ハーモニカ、すっかり上達、ポール・マーガリンフィールドさんくらいにはなったイットク君、思わずつぶやいてしまいました。

ケン「ははは。・・・えー、今日も熱狂的ファンの方が来てるようですが。そろそろ最後の曲を・・・。アッコの歌で。如何にするかー!」

「よ。待ってましたア”ッコ”ぢゃーーん。」

♪じゃじゃっじゃん、じゃじゃじゃん、じゃじゃじゃじゃーーん♪
「ありがとございましたー。」

パチパチパチパチ。うっほー。いえーいい。もとやれー。

うまく行ったぞ演奏はとホッとしております兄弟たち。
そこへ先ほどの男がどこに隠し持っていたか赤い花束小脇に抱えて近づいてきます。
「いやー。どうもどうもどもども。良かったです歌。どうかこれを。」
とそれをショータに。なわけないだろ、アッコに渡します。
「あ、どうも。いつも応援すみません。」
「いやーどもどもどもども。謝ることなんかないっすよう。だって素敵ですからー。」
「いえ、そんなことは。」
「まー、ご謙遜を。ところでちょっとお話があるんですが。あ、申し遅れまして。私はこゆう者でございます。」
と名刺をメンバー達に渡します。
ショータ「キャシャリン芸能社 社長 センダミツオ 出身那覇?」
「はい。一応れっきとした芸能プロ社長でございます。ナハ!」
おさむ「ケン、お前聞いたことあるかキャシャリン芸能社って?」
「うーん、ちょっと知らないなあ。」
「無理もありません。知る人ぞ知るって由緒ある会社ですからー。なは。
「ですから、すみません、アッコさん。ちょっとお時間を。はい。是非お願いします。」
「うーん、どうしようかなあ。」
「何でも好きなものご馳走しますんで。」
「じゃフジヤのパフェでもいい?」
「はいはい。」
「じゃ。行くわ! みんな、ちょっと行ってくるから。」
ケン「おいだいじょぶか?」
「平気平気ーーー。」
と一緒に出て行ってしまいました。

ケン「何か心配だなあ。」
イットク「見に行かはんで良いのでっかー?」
ケン「うん、おい、おさむ。ちょっと様子見に行こうぜ」
おさむ「あ、おう。行こう行こう。」

アッコとミツオ社長の後ろ3メーター。電信柱に隠れながら後を付けます。怪しいぞ二人組。
「さ、さ、どうぞどうぞ。あ、お姉ちゃん!オーダ、オーダー。どうです。やっぱパフェですか。」
「もっちろん。これ。」
と指差すは・・・・。

二人組も店内突入です。フジヤは1階喫茶部の前にへこちゃんキャラのお菓子を売ってるコーナー有り。そこで色々買おうと悩んでるふりをしながら覗き見覗き見じゃ。
ケン「あー、アッコのやつ。あんなもん頼んでやがる。」
おさむ「でっけーパフェだなあ。よくあんなもん食えるなあ。」
「おい感心してる場合じゃないぞ。何話してるのかなあ。」
「聞こえないなあ。」
「ア、笑ってるぞ。楽しそうじゃんか。」
とまー、気をもみもみすること小30分。
「あ、出てくる隠れろ。」

「どうもどもども。お願いします。どうか考えて見てください。なは。また連絡しますんでって、明日もライブ見に行くね。」
「はあ。」
「じゃ帰り気をつけて。なはなはなはー。」

「君たち!もう出てきてもいいよ。」
おさむ「あー、ばれてたか。」
「何よばればれじゃない。恥ずかしかったー。」
ケン「で、話って何だったんだ?」
「えーとねえ。スカウトされちゃった。」

二人「えー、スカウトーーーー!!。」


アッコ「うん、事務所に入ってデビューしないかだって。じゃあねー。」
おさむ「じゃあねーって、おい。行っちゃったよ。ケン、お前行かなくていいのか。あ、ケンも行っちゃった。」

「おーい。待てよアッコ。待てったら。」
と必死に追いつきましたケンちゃん。
「何?」
「何ってお前、マジかよ。それでほら。断ったんだろ当然。」
「えー?考えときますって言っちゃった。」
「何でだよ。」
「だって、もうバンド用意してるんだって言ってるんですもの。何でもチャーとかエディ藩とかつのだひろとか内山田洋とか鈴木ひろみつとかにもう声をかけてあるんですって。誰だかよく知らないけど。
有名人みたいだし。すぐ断るの悪い気がして。」
「うーん、何かそれおかしいぞ。だってお前なんかにその豪華メンツをいきなりなんて。」
「何それお前なんかって!。実力あるってこの前まで言ってくれたじゃないの。それに社長だってデビューしたら絶対売れるって保証してくれたんだよ。」
「だってそれはそれ、これはこれだろ。何か話うますぎるし。」
「私なんか騙したってしょうがないじゃない。話はそれだけ。遅いから私帰る。」
「おい待てよ。送るよ。」
「結構です。」
てんてんてんてん、早足で行っちゃいました。
「うーーーーん。」

翌日、桃屋にて
おさむ「おい、お前昨日あれからアッコに何て言ったんだ。」
ケン「うん、ちょっとね。失敗したかも怒らせちゃったよ。」
「またこれだ。よくケンカするなあお前たち。だいたいお前が野暮天なんだよ。」
「どこが海老天だって。だってさー、チャーとかジミー・ペイジとかジョン・ディーコンとかフランク・ザッパとか用意してレコーディングさせてやるって言ったんだって。おかしいと思わないか。そりゃ俺だ
ってアッコの才能凄いと思うけど、実績無いじゃないか。」
「うん、そりゃ確かにそうだ。心配だな。あの社長調べた方がいいんじゃないか。」
「そう思うけど・・・どうしようか。」
「それより今日アッコ来るかなあ。いつもなら一番最初にいるのに・・・」
「あっ」
アッコ登場、ブスっとしてこっち向いてくれません。
おさむ「あー怒ってるぞやっぱ。おいケン待てよ。今のとこはそっとしといた方がいいぞ。ちょっと落ち
着かないとあの様子じゃ。」
「だってライブが。」
「来たんだからライブはやるよきっと。大丈夫。」
「まあ、そうだろうけど。困った困った。」
「俺が後でとりなしてやるから、安心しろ。」
「それがまた安心できないんだよなあ。」
「このやろー!!」
ショータ「あー、先輩達何楽しそうに話してるんですか。混ぜて混ぜてー。」
「ばかやろー。能天気に。こっちは大変なんだぞー。」
ボカボカボカ。
「ひゃあ、二人で叩かなくても。おっかないなあ。だって何にも事情知らないしー。」
ケン「いいからお前はチューニングしっかりしてな。最近音程甘いぞこらー。」
「ひえ、とばっちりだ。わかりましたー。」
マコがそれを見て笑ってます。

チリンチリンと桃屋入口の扉が次々と開き始めて。
お客さんたちが続々入ってきました。
その中に・・・

「なはー。今日も元気ー?今日も見に来たよー。みんな頑張ってね。」

ケン「あのやろー!!」
おさむ「今はまずい。まあ待て落ち着けよ。」
「だって」
「こうなったら何か証拠無いとアッコも納得しないだろう。それからだ。」
「くそー。むしゃくしゃするなあ。」

当日のライブは大荒れ。ケンちゃん、力入り過ぎるは、アッコは途中で弾かなくなるわ。
さんざん。
まだ未熟者。若いブギ・ブラザースたちです。


へろへろのライブが終わりました。
客席から又も花束持ってセンダ登場。客席からは時ならぬブーイングが。センダさん受けたと思ってあのポーズしてるよ。今日の花は紫の薔薇でございます。
一直線にアッコのとこ寄って行って何事か耳打ち。アッコは手を振っていやいやしてます。そしたら土下座してやんの。根負けしてしぶしぶ承知した様子。

汗を拭いてカウンター席に座ったケンとおさむ
ケン「アッコたち何話してたんだろ。気になるなあ。」
「うん。でもなあ。下手に口出すとまたヘソ曲げちゃうからなあ。」
「あ、アッコ着替えてあいつと出かけるぞ。ついていこうか。」
「やめとけ。今度見つかったらやばい。」
「でもなあ。」
「またフジヤでプロ入りくどくんじゃないか。」
「ならまだ安心だけど。」

そこへイットクがマコの手を引いてやってきた。
「ケン先輩、聞いてくらなはれ。マコがアッコはんたちの話聞いてたらしいんですわ。」
「えー!何話してたの。教えてマコちゃん。」
マコ、イットクにごしょごしょ耳打ち。
「それがでんねん。何か有名なミュージシャンを待たせてるから会ってくれないかつうてお願いしてたようで。」
「ふーん。でも何であんなに嫌々してたのかな。それなら別に行ったっておかしくないのに。」
マコ、慌ててまたもごにょごにょ。
「えー、ほんまかいな。早くそれを言いなはれや。大変ですわ。その会う場所ってのがホテルなんですって。なもんで必死に断ってはったんですなあ。」
おさむ「ですなあって呑気なこと言ってる場合じゃないねん。どこで会いなはるんだろう。あ、移った。」
ショータ外へ慌てて出る。戻って来て。
「先輩ー。アッコさん達、タクシー乗って行っちゃいましたー。」
ケン叩くのも忘れて「ってお前も呑気だな。うーん、困った。探しようが無いぞ。」
マコ、ごにょごにょ。
「何?何?。うんうん。何か山下公園の前のちゃんとしたホテルだから大丈夫だからって土下座してたらしいでっせ。」
「ほんと?とするとどこかな。」
バーテンのフィル「ケンさーん。それならきとホテール・にゅヨコハマあるよ。まん前だしに。にゅグランドは格調有りすぎですねん。どっちにしろそのどれかですの。」
おさむ「フィルは妙なこと詳しいなあ。」
フィル「ははは。ホテル王フィルでんねん。」
ケン「よっしゃあ。行くぞ。追いかけるぞー。」
おさむ「あ、おじさん。今日、ジャックさん来てないんですか?」
シロー「あ、ああ。今日は珍しくいないんだが。」
「じゃ電話お願いします。応援頼みますって。あ、それとほら成田警部にも。電話して下さい。」
「でもまだ犯罪って訳じゃないし。」
「未成年をホテルに連れ込むだけで充分、悪い奴です。それに成田さんはもう友達だし。」
「ああ、わかった。じゃあ取り合えず急いで行って来なさい。」
ぴゅーっと二人は飛んで行きました。

「ええと電話電話。」
じーこじーこじこじこじーこ。
「もしもし」
「は〜いこちら綾部探偵事務所。じゃ無かったイチゴ組でーす。僕アキラちゃん。ふふふーん。何か用?」
「あ、こちら桃屋のシローですがアキラちゃんかい。、兄貴、じゃなかったオサムさんはいるかな。急用なんだよ。」
「ふーん。何おじさん血相変えて。兄貴ならここにいるよー。ちょっと待ってね。」
「はいオサムです。すんません今日行けなくて。組長の説教があって。はにゃほにゃはにゃ。えー何だってー!。そりゃやばい。やばいっすよ。すぐ向かいますから。あやー。はい。ジャック兄貴も一緒に行きます。はい。はい。」
ガチャン
「兄貴ー。ああああアッコちゃんが大変だー。」
ジャック「何だ何だ静かにしろや。何。何だってー。何ぐずぐずしてる。緊急出動だ。ノリヒコお前も来い。」
どどどどどど。全員出動イチゴ組。


センダ社長と表に出たアッコであります。
ぶーーーっ。ぎぃぃぃぃぃっ。
バタン。
「社長お待たせしました。」
「ああ、いい。いい。グッドタイミン。鯛がみんなでたいみんぐ。なんちゃってなははははは。」
アッコ「あのー、タクシーで行くんじゃ無いんですか?」
「うん、今日はね、社長カー付。凄いでしょ楽しいでしょ。さー乗った乗った。」
追い立てられるように乗ってしまいました。後席に二人で。
「あのー前の方たちは・・・?」
前席には屈強な男二人が。
「ああ、こいつら?この人達はうちの社員。こんな顔してるんだけど見掛けばっかりよ。かわいいんだから
ねぇ?」
「へぇ」
「それにしてもアッコちゃん。近くで見るとかわいいねえ。」と近づいてくる。
「ひ」。思い切りドア側に寄るアッコ。
「それ以上冗談すると帰りますから私。」
「ははは。冗談?そう冗談冗談ジョーダンズ。なんちゃって。なは。楽しいねえ今日は。」
裏道を一路山下公園へぶっ飛ばしてます。

場面変わってケンとおさむ。
後を追って外に。
おさむ「た、たーくしー!!」
ケン「お願いあれ止まってくれ!。」
ぎーいぃぃぃっ。
「あ、止まった。さあ早く早く。」
バタン。
ケン「す、すみません。山下公園のえとえと・・・」
おさむ「慌てるな。あの、にゅーヨコハマってホテルまで。お願いします。」
「へーい。」
ぶおーーーー。タクシーはもちろんトウキョウ無線。
おさむ「うーん、道混んでるなあ。やばいなあ。」
ケン「おい、お前、いくら持ってる?」小声で。
おさむ「え?金?(小声)えーっと。」
じゃらじゃらじゃら。ポケットを探る。
「650円。」いっそう小声で。
ケン「俺は・・・・」
じゃらじゃらじゃら。
「400円。うーん微妙だ。」
「どうしよう。」
運転手(谷K)「お客さん、何かあったのかい?」
ケン「あの実は僕たち、さっき乗ったところのお店でバンド出演してる高校生なんですけど。バンドのメンバーの女の子が今しがた怪しい芸能プロの男に連れて行かれちゃって。急いで追いかけて連れ戻そうと思って。」
運転手「何だってそりゃ大変だ。へーあそこに演奏出来るとこあるんだ。実は私も昔はバンドマン・・てなことはいいや。それはいかん。ちょっと飛ばすからつかまってろよ。」
「飛ばすっておじさん、どこを?」
ぐおおおおおおおおおおお。
くるっと曲がってすげー細い路地に突入。パーパーパーパー。
「ええいどけどけい。谷様のお通りだい。」
「ひえー、おじさんお助け〜〜〜〜〜〜。」
ぶわーぐおーききききき、どーーーーー、ぱふぱふぱふ。
「さー着いたよ。ほら急いだ急いだ。」
ケン「でもお金が。」
「いいいい。そんなこと言ってる場合じゃないだろ。早く行きなさい。ここで待ってるから。女の子取り戻したら、すぐ乗って帰ろう。」
ケン「ありがとうおじさん。感謝します。」
おさむ「ありがとう。」
バタン。たったったった。駆ける二人。
ケン「まずどこへ行けば・・・」
おさむ「そうだ。フロントで聞いてみよう。」

ケン「すみません。こちらにキャシャリン芸能社の社長のセンダさんって方、泊まってらっしゃいますか?」
フロント(フレディ・フェンダー)「ああ、バンドマンの皆さんですね。4階の404にお泊りです。あのエレベーターをお使い下さい。」
ケン「あ、はい。すみません。」

おさむ「おい、バンドマンの皆さんですかってさ。あながち嘘じゃ無いのかなあいつの話。」
ケン「うーん。取り合えず早く行ってみよう。」

エレベーターで4階へ。
ケン「ええと404。あっちの方だ。」
たたたたたた。駆ける二人。
どすん。何かにぶつかった。
屈強な男A(きらカン)「何だお前たちは」
屈強な男B(マツザキマコト)「ここはお前たちみたいなやつらの来るところじゃ無い。帰った帰った。」
ケン「あの、でも。僕の大切な・・・」
屈強な男B「うるさいっ。グズグズしてると座布団で丸めちゃうぞ。」
屈強な男A「モンゴリアン・チョップしちゃうぞ。」
と無理やりエレベーターにまた押し込んだ。
「ぐぐぐぐぐ」

1階に逆戻り。

ケン「くそー。もう一回俺は行くぞ。あんなやつらがいるってことは・・。ますます心配じゃないか。」
おさむ「まあ待てケン。また行ってもあんな連中じゃ・・・悔しいけどかなわないよ。」
ケン「でも・・・・・。ええいどうしたらいいんだ。」


「おい、お前たち!!」
ケン「あ、ジャックさん!オサムさんも!」
「へへーん。アキラちゃんもいるよー」
ジャック「どうした。こんなとこで。ここにいるんじゃないのか?」
ケン「あの・・・部屋の前に馬鹿でかい凶暴な男が二人いて。どうしても通してくれないんです。」
アキラ「何だって〜。よっしゃあああ。お兄さんたちに任せておきなさい。」
ジャック「部屋番号は?」
おさむ「404です。」
ジャック「よーしお前ら、イチゴ組の実力見せてやろうじゃねえか。堅気の衆に迷惑かける悪玉けっちょんけっちょんにしちゃうもんね〜〜〜〜〜」
ヤマモト「兄貴、見栄はいいから早く行きましょう。」
「はーーーい。」
全員でエレベーター乗ってぎっしぎし。


アキラ「兄貴〜、このエレベーター遅いね。」
オサム兄貴「そうだな。何か2週間くらいかかってる気がするぞ。」
ぴーん
全員「よっしゃあ。」と飛び出る。
ジャック「どどどどどどどど、どっちだ。」
ケン「あっちです。」
どどどどどどど。

おさむ「ほら、あそこにいる二人。でかいのがいるでしょ。」
ジャック「何。あれか。おおでかいな。よっしゃまずお前から行け。」
とヤマモトを押し出す。
「え、僕ですかー。」
「そうだ。」
「まったくいつも俺先にいかせるんだから。」
オサム兄貴「お前も行け。」とアキラを押し出す。
「えー兄貴〜。ずるいや〜。」

そろそろと近づく二人。
「あのー。」
屈強な男Aきらカン「何だ。何か用か?」
アキラ「俺たちこの先の404号に用があるんだ。ちょっとどいてくれないかな〜〜〜。」
屈強な男Bマツザキ「駄目だ。あそこは今立ち入り禁止だ。」
ヤマモト「何言ってんですか。あの部屋には知り合いの女の子が閉じ込められてんですよ。どいてください。」
屈強な男カン「駄目だって言ったら駄目だ。」
と二人でアキラとヤマモトの頭押さえて押し返す。
二人手だけばたばたしてるけど一向に前進せず当たらず。
アキラ「兄貴〜。駄目だこいつら強ーよー。助けてくれよー。」

ジャック「全くいつまでたっても半人前だな。よっしゃいっちょ行くかオサムや。」
オサム兄貴「いくぞオラー。」
飛び込む二人。

漫画に出てくる格闘場面。煙の中でどかどかしてるのあるでしょ。もしくはモンキーズで早回しになってるやつ。時々画面から「BANG!」とか「BOMB!」とか「OUCH!」とか飛び出してます。

どんなにかかって行っても二人は涼しい顔。
戦いながら
ジャック「くそー、こいつら強いなあ。ぼかっ。」
オサム兄貴「おりゃあ。全然歯が立たないっすよ。」

どすん。ばたん。ごつん。どどどどど。

ケン「ちょっと待ったーーーー!!。」

一同びっくりしてそのままの格好で硬直。

ケン「おじさんたち。おじさんたちはそんな怖い顔してるけどほんとはいい人なんでしょ。」

屈強な男二人、不意を付かれてびっくりする。怪訝そうな顔。

ケン「だってそれだけ殴られてるのに全然応酬しないじゃないですか。きっとほんとはケンカが嫌いな優しい人なんだ。」

きらカン「何言ってんだ。こいつ。俺らは。俺らは。怖いんだぞ。」

ケン「いや僕は怖く無いです。あの部屋には僕の大切な人がいるんです。大切な人が壊されてしまうかもしれない。僕は行きますから。おじさんたちなら通してくれるはずです。」

マツザキ「何だって。通してたまるもんか。だって俺らだってクビになっちまう。」
涙声になっている。
ケンが通ろうとする。
マツザキ一歩前に。
そこを、きらカン手で制して
「止めだ止めだ。もう我慢出来ん。こんなことするため会社入ったはずじゃないはずだ。」
マツザキしょぼんとして
「・・・・・ああ。・・・・・・そうだな。お前行け。これが鍵だ。彼女のこと。大切にするんだぞ。」
とポンと鍵を投げた。
「ありがとう。おじさんたち。」
走っていくケン。

残りのメンバーは一斉にへたり込んだ。
「ああ、助かったー。終わったよ。」

「さー、どーぞ。どーぞ。この部屋だから。どんどん入ってね。なはなは。」
すっかりハイテンションのセンダ社長です。
「あ、はい。お邪魔します。」
「うんうん、はい。あー、とりあえずそこの椅子に座ってね。はい。」
と窓際の応接セット、ベッドの脇。不安そうに座るアッコ。

「あのー。皆さん。まだ来ないんですか。」
「えっ?皆さんって?。」
「チャアさんとか、ツノダさんとか。来るんですよね。」
「あ、チャアね。あ。あ。あ。さっき電話があってちょっと遅れるからって。やだねー音楽屋さんは。時間にルーズで困っちゃう。なははははは。」
「それじゃ下のホールのとこで打ち合わせした方がいいんじゃ無いんですか。」
「あ、いや。ここで待ってるって言ってるからねー。待とうよ。あ、そうだ。今お茶入れてくるから。」
背中向きで何やらお茶を入れるセンダ。何かがさごそやってます。

「はい。はい。紅茶です。どうぞどうぞ。お砂糖は好きに入れてね。ミルクは無いからいいや。なはは。」
「あ、いただたきます。すみません(・・・・・やだなあ。何か薬とか入れてるんじゃ無いかなあ。・・)
「え、飲まないの。そうか。何かおやつになるものあったよな。ちょっと待ってね。」
部屋の隅にある冷蔵庫へ向かうセンダ。

(・・・・どうしよう。カップ取り替えちゃおうか。でも取り替えるの予測してたらまずいし。あ、戻ってきそう。ええい。飲んだ振りしちゃお。ついでに寝たふりしてみたら・・・)
センダががさごそしてる間に、アッコはカップのお茶をそばにあった観葉植物の鉢の中にどっと。
センダがケーキ持って戻ってくる。

「はい。ショートケーキがあったよー。甘いもの好きでしょう。さー食べた食べた。ってあれ、もう飲んだの?そんなに。で・・・・寝ちゃった。そう。寝ちゃったのね。
まったく警戒もしないで最近の若い子は。ほんと。ゲーノー界ってゆうとすぐついてくるんだから。私がおいたして楽しんだ後、どっか遠い国へ叩き売って上げちゃうから〜。楽しみにしてなさいねー。なはは。」

(・・・・あっ。こいつやっぱりそんなことを。どうしよう。まいったなあ。)

その時、外で

どっかん、ばっかん、どどどど、このやろう、ずどど。ぐお。

「わわわ、何だ何だ。外が騒がしいぞ。」とセンダ振り返る。

(今だ!)
アッコ、股間を思いっきりキーーーーック!。

ヅド。

「ぎゃあ。痛い痛い。何だ寝てなかったの。ぎゃあ。」
不意を突かれて直撃してしまいました球袋すじたろう。
「ぐおー。大事なとこを何するの。この仕返しはー。わかってるわねー。あらオカマになっちゃったわ。」
「何よ、嘘ばっかついて。始めからやらしいことするつもりで誘ったんでしょう。」
と手に掴めるものを何でも投げるぞ、アッコちゃん。
「わ、止めなさいやめなさい。こら逃げるか。こら。」
追いかけるセンダ。
アッコ、棚の上にあったアルミ灰皿を投げました。

ぱこーん。
見事命中。

その時。

どだん。
ドアが開いて飛び込んで来ましたケンちゃん。

「こらあああ。俺のアッコに何するんだ。このやろー。」
ぼかぼかぼか。
「ひゃあああ。ごめんなさい。やられてるのはむしろ僕の方なんですけどー。なははははー。」
と頭を押さえながら外に逃げるセンダ社長。
入口まで追いかけてケツを蹴り上げるケン。
振り返って戻る。



「今、ケン、俺の・・・・って」

ケン、アッコをじっと見つめて。

「さあ、帰ろう。・・・・うちへ。」

ぎゃあっと泣いてケンに抱きつくアッコ。
ケン、びっくりして何も言えない。
上着を脱いでアッコにかける。
「ありがとう」

手を握って二人で部屋の外へ。

「ひゃっほー。ブラボー!!。やったねケンちゃん。」
イチゴ組&おさむ君による熱烈歓迎です。

ケン、頭掻きながら恥ずかしそうに、肩を抱いて一緒に下のホールへ。

外に出ると谷さんのタクシーが待っていてくれました。
二人、乗り込んで。
その後からおさむが乗ろうとすると。
ジャック「おい、おさむ。お前はこっちだ。」
近寄って来て耳打ち。
(二人だけにしてやんな。)
(はい。わかりました。)
ジャックさん、運転席の谷さんにも近寄って何やら耳打ち。こっそり何かお金渡してます。

谷「さー、行こうか。桃屋で良いんだね。」
ケン「はい。ありがとう。お願いします。あ、ジャックさん、皆さん、ほんとにありがとう。」
隣でアッコもペコリとお辞儀。

ジャック「よせやい。あたりめーじゃないか。それよりしっかり送っていけよ。この色男さん。」
アキラ「いろおとこー!!」

ははははは。

タクシーが発車しました。Uターンして右折、まっすぐ行って中華街の前まで行って停車。

谷「ちょっと待っててね。」

しばし後、戻って来た谷さん。
「ほら、これ肉マン。美味いぞう。おじさんのお祝いだ。ちょっとトイレ行ってくるからゆっくり
食べてなさい。」

「ありがとう。おじさん。さあ、食べよう。」
二人で食べる肉まん。
アッコ「熱いね。あったかいね。肉まん。」
ケン「ほんとあったかいや。」
涙流しながら二人で食べて。


(いやー、まいったまいった。失敗だなあ。せっかくあそこまで行ったのに。いやでも惜しかった。アッコちゃんかわいかったのに。)
走ってぜいぜい言ってますセンダさん。
(でもいいっか。逃げられただけでもラッキー。なははははは)

「ちょっとあんた。」
すれ違いざま声掛けられてビクっと止まる。
「センダだな」
「いいえ違います。誰ですかセンダって。なはなは。」
「全国指名手配センダミツオ。特徴は語尾に”なはは”と言うところ。逮捕するセンダミツオ。」
「ひゃあ」
と逃げ出そうとするところ、足を引っ掛けてすってんころりん。
上から押さえつけて手錠ガッチャン。
「悪い」ことは出来ないもんだな。」
見事、捕まえたその人は駆けつけたザキ署刑事ナリタ”クール”ミキオさんでした。


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2005年09月25日

第12回「密告」

012.jpg

ここはショータ君の学校、私立Y高であります。ちょうどお昼のお休み時間が始まったところ。馬鹿友のペペ(穂積)君と一緒で。
ショータ「おい、今日は何食おうか?」
ペペ「へーん、どうせお前今日もうどんだろ。聞いても無駄なのに。」
「へへ。まあな。うどんだ。」
「どうしたんだ最近。全然お金なさそうじゃないか。」
「うんちょっと色々使うことがあってさ・・・」

とそこに、そうです同じクラスなんですの、コアラのマーチのミズカミ君登場。
「おい、ショータ。この前桃屋に刑事が来なかったか?」
「何ー!。なんでお前がそのこと知ってんだ。そうかあれ仕組んだのお前んとこのあの女か。」
「あの女とは失礼な。ジュンコさまと呼べ。だって被害者じゃないか。当たり前だ。
それでどうだった?捕まったかお前んとこの鍵盤女。可哀想になあ。もうコンテストはXだな。」
「何言ってんだ。捕まる訳無いだろう。何にもしてないんだからな。」
「お前こそ何言ってんだ。殴ったじゃないかあの時。」
「えー、うそー。誰もそんなん見てないって言ってたらしいよ。」
「そんな馬鹿な。」
「それよりそっちのジュンコさんは大丈夫?みんながコップ割ったって証言してたってよ。」
「このやろー。それで刑事はそんなんで帰ったのか?」
「ああ、それで納得して帰ったって。そりゃそうだ。」
「くそ。そんなんありかよ。覚えてろよ。」
とぶつぶつ言いながらミズカミ退場。途中でパンっと拳で手のひら叩いて。振り返ってニーって笑った。

ペペ「何だあいつ気持ち悪いな。」
ショータ「ほんと。しかし何思いついたんだろ。気になるなあ。また悪巧みかよ。」

と二人はお互い見合って両手を広げて
「オー・ノー」ってか。


その翌日...
またもお昼休み。
ショータ「おい、今日何食おうか?」
ペペ「また聞くか。ウドンでしょ。ウドン。ははは。」
「いいじゃんか。一応悩んでみたいお年頃なのよ。」
とか馬鹿言ってますとそこに現れたのがこんなんなのに柳生一族の末裔だとゆう柳生先生(やぎゅうヒロシ)とペペのお父さんではありませんましてや兄じゃありませんのホズミ教頭(ホズミたかのぶ)さん。
ホズミ「おい、君。君がショータ君かね。」
「あ、はい。一応そうですけど。」
「ちょっと職員室に来たまえ。話があるんだ。」
「えーでもこれから飯ですし。何ですかいったい。」
柳生「何だね君は。教頭先生がじきじきお呼びしてるのだよ。ランチなんかどうでもいい。来なさい。」
「うへ。はーい。わかりました。
おい。先に食いに行っていいよ。すぐ戻るから。」
柳生「すぐ戻れるとは限りませんっ!」
「はーい。だそうです。」
「OK−。何やったんだお前。うどん食いすぎか。ははは。」
キっと柳生先生に睨み付けられて、両手を「おうのー」のかっこしながらペペ君は食事に行きました。

さて職員室にて
ホズミ「聞くところによると君は何だね。あの恐怖の歓楽街、ザキ町のいかがわしい場所にあるいかがわしい店でロックなどとゆういかがわしい音楽を演奏してるそうだがね。それはほんとかね。」
「え、そんなこと誰が言ったんですか?」
柳生「そんなこと誰だっていい。大事なのは本校のような由緒正しい折り目正しき生徒がそんなとこでアルバイトをしてるとゆうことだ。そうですよね教頭先生。」モミ手付。
ホズミ「君は私が言いたいことを言ってしまって。けしからん。まあいい。そうゆうことです。何ですか。言いたいことがあるなら言いなさい。。」
「えー。確かに演奏してますけど...。だいたいギャラなんて貰ってませんし。出る時間も夕方ですし。お店だって桃屋っていう古くからあるハンバーガー・ショップさんですし。もちろんお酒なんて飲みませんし、それに...」
柳生「えええい。何をぐだぐだと。ネタは上がっているんですよ。ねえ教頭先生。」
ホズミ「その通り。これは重大問題です。校長先生並びに理事長とも相談して職員会議にかけます。かけた上で厳しい処分をするんでそのつもりでいるように。
もちろんそんな店で演奏するなんてもってのほかです。
学校には通常通り来てもよろしいが、家では静かに謹慎してるように。」
柳生「謹慎ちっ居です。下がりおろう。」右手でゴールデンハンマー叩く。
「でも先生!」
柳生「下がりおろう。」
ホズミ「またキミ、かっこいいところ持っていって...。あ、もう昼休み終わりですか。
何を食べにいきましょうかね。寿司は飽きましたね。たまにはウナギでも食べに行きますか?」
柳生「イイですね教頭先生。行きましょう行きましょう。ほほほほほ。」



そして満腹になった二人の先生、校長室にて。理事長もおりますです。
ホズミ「かれこれこうゆう訳なんです。けしからんでしょう。これは決然たる処分をせねば」
柳生「本校の品位が落ちるとゆうものです。」
ホズミ「また持っていくー。」
柳生「すみません。つい」

校長先生(片岡チエゾウ)は腕を組んで考えてます。おもむろに顔を上げると
「確かにその通りなら問題だ。職員会議にかけねばなるまい。」
ホズミ「そうです。そうです。いつにしましょう。早速明日でも。」
その時、理事長(りゅうち衆)声を掛けます。
「ちょっと待った。あー、たしかにけしからん話だ。けしからん話だが、片方の話だけ聞いてはいかん。
こちらはこちらでキチンと調べんと。なあ片岡くん。」
「もちろんです。その店の店長とやらを呼び出して話を聞きましょう。なぜそんなことさせてるのか聞いてみなければなりませぬ。」
理事長「うん、うん。ホズミ君、悪いが連絡取って来て貰うよう言ってくださらんか。まずそれからじゃ。」
ホズミ「そんな時間をかけては噂が広ま...」
校長「何か言ったかね」
柳生「いいえ。いいえ。はい。早速。」

大変なことになってきました。


ジリリリリーーン。
「はい。桃屋です。あ、何だショータ君か。えっ。おお。みんなもう集まってるよ。うん。わかった。おーい。ケンちゃん。ショータ君から電話ー。」

「はーい。」
ステージ前でみんなでチューニングしてたケン君でした。
「あ、すみません
おい。何してんだ。もうみんな揃ってるぞ。何ー!来れない。何で。うん。うん。うん。えっ?まさか。うん。うん。うわ、そりゃやばいな。うん。うん。うーん。それじゃ今日は大人しくしといた方がいいかも。えっ?ライブ?。おう。やるよ。えっ?スターがいないとお客さんが納得しないって。大丈夫何とかなるさ。がはは。とりあえず大人しくしてなさい。こっちはこっちで作戦練るから。ああ。わかったって。電話するよ。じゃあな。」

ガチャン。

「おじさん。困ったことになりました。ショータ、今日来れないみたいなんです。」
「えっ?何で。カゼでもひいたのかい?」
「いやそんなんならいいんですけどどうやら学校にここで演奏してることバレてあることないこと咎められてるみたいなんです。」
「何だそりゃ。別にやましいことしてる訳でなし。大丈夫。誤解はすぐ解けるから。それより、今日はどうする、ライブ?やめるかい。」
「とんでもない。シュー・マスト・ゴー・オンですから。やります。何とかなるでしょ。」
「何とかなるよな。ははは。」

ケンが机に戻った。
「おい。やばいぞ。今日ショータ来ないんだ。」
おさむ「何で。下痢でもしたか。」
イットク「食い意地はっとるからなあ。」
マコ、声を上げず笑う。
「違う違う。それがやばいんだ。これこれしかじか。」
アッコ「えー!ちょっとそれやばいんじゃない。あそこの教頭ちょっとおかしいって評判だよ。悪いことしてなくても何か企んでるかもしれない。」
おさむ「うーん。もうちょっと様子見ないとどっちみち動けないな。それはそうと今日はどうする。」
ケン「やるよ。もちろん。わざわざ見に来る人に悪いもん。」
イットク「あれでも抜けたら困りはるわな。どないしますベースは。」
ケン、振り返って「おーい、フィル。今日さ。ベース弾いてくれるかい?」
フィル「何言てますからす。ワタシ、シンリジにてまっけど弾けんですバイスティーヴバイ。」
ケン「そうだよなあ。ルックスだけじゃ駄目か。」
おさむ「駄目だよ。」




ケン「うーん、知恵が出ん。」
おさむ「よっしゃ。俺が弾こう。これからショータん家行ってベース持ってくるよ。」
ケン「お前、弾けるのか。」
おさむ「コードはもちろんわかってるしルートを押さえりゃ何とかなるだろう。」
ケン「うん、それもそうだ。頼むわロン・ウッド。」
おさむ「うるせー。俺あんな下手ッピじゃないやい」

その時

ジリリリーン ジリリリーン
「はい。桃屋です。はい私が店主のシローですけど。あ、ショータ、あ、いやモリカワ君の学校の教頭さんですか?これはどうもいつもお世話になっております。えっ?別にお世話になってない。はあ。それもそうですね。はい。はい。その件ですか。はい。はい。わかりました。はい。はい。もちろん、行きます。いつがいいですか。今からだって行きますよ。あ、それはまずい。明日ですか。伺います。3時に。校長室ですね。はい。わかりました。それでは。はい。失礼します。」

がちゃん。

「おい。みんな。ショータ君の学校に呼ばれちゃったよ。」
ケン「えっ!早速。」
おさむ「お願いしますおじさん。これはもうおじさんの働きにかかってますだ。」
アッコ「コンテストも近いし。困ったわ。どうなるんだろ。」
イットク「大丈夫でっせ、姉さん。何とかしてくれまっさマスターなら。」
真面目な顔で頷くマコ。

シロー「うん。これは何とかしなけりゃいかんな。まかしときなさい。こうゆうことには自信があるん
だなこれが。」
フィル「ほんとかねマスタ。この前町内会の寄り合いでゴミ当番押し付けられたってボヤッキーでったじゃないの。」

「わはははは。」
一同爆笑。
するもその後、静かになってしまいました。



「こちらです。どうぞ。」
柳生の案内にしたがってシローおじさんは校長室に入りました。

片岡校長「どうもこの度は。わざわざご足労願いまして。」
シロー「いえ、どうもこちらこそご迷惑をおかけしたようで...」

と両者深々とお辞儀をして、パッと顔を上げましたとたん

「あ、あんたもしかして源さん、いやシローじゃないか。」
「あー、そうゆう貴方こそ御前、いや片岡先生じゃないですか。」

お互い両手を握り締めてぷるぷる振ってます。

「おおおお、元気だったか。わしは会えて嬉しいぞ。嬉しいぞ。」
「私だって。先生、校長になったんですねえ。大した出世だ。」
「いやーただいつまでも学校にいついてただけなんだ。それはそうとほらこちらは...」

「あ、校長!」
「おおお。君はあの時の。悪ガキのシロー君じゃないか。すっかり立派にのう。」
「いや立派なんてことはありませんよ。校長こそどうしたんですか。今は?」
片岡「笠置先生は理事長になりなさったんだよ。」
「そうなんですか。そんなことも知らないであの時はご迷惑ばかりおかけして。どうもすみませんでした。」
「いや、いい。いい。あれも今となってはいい思い出じゃけ。」

穂積教頭「あのー。こちらとはどうゆう関係で?」

片岡校長「あ、すまんすまん。彼はなオーサカシロー君って言ってな。ここの卒業生なんだ。わしの教え子でもある。
あ、待て待て君の言いたいことはわかる。わかるがこの男のすることなら大丈夫、わしが保証するよ。そりゃもう悪ガキだったけど根は正直で良い子でねえ。努力家だったし。あ、そうかあの時進駐軍のGIににギター貰って夢中になって弾いてたっけ。それでライブハウスの主人に。」

シロー「いや、卒業したらほんものの音楽屋になっちまいまして。ずっとジャズやってたんですけどこんなご時勢ですっかり下火で。で、あそこに、ハンバーガー屋開店したんです。」

その時
バタン
「どうぞ。お茶を。お茶を持ってきました。」
校長「おお、よく気がついたなアスカ。ここに。ここに。」
シロー「あ、いただきます。すみません。」
「これはな。わしの姪なんだよ。ちょっと事情があってこの学校に入れておるんだ。」
「は、はじめまして。タカギアスカと申します。」
「はじめまして。良いお嬢さんで。」
アスカ(オカザキユキ)「あ、おじさん、知ってる。桃屋のマスターでしょ。」
校長「何を。もうみっともない。」
アスカ「だって有名なんですよ。桃屋。この学校の生徒なら誰だって一回はハンバーガー食べたことあるんじゃ無いかな。」
「あ、ところでブギーズのみんなは元気ですか?」
「ブギーズ?あ、ブギ・ブラザースのことかい?まあ、元気は元気なんだが。」
「今度全国大会の決勝でしょ。頑張るように伝えておいて下さい。みんな応援してますから。」
「あ、うん。もちろん。」
校長「何だ。何だ。そのバンドは全国大会に出るのかい。」
アスカ「もっちろん。この前関東大会で優勝したんだから。」
シロー「あ、まあ、そうなんですが。」
校長「なぜそれを早く言わない。これは本校の誇りじゃないか。」

ホズミ「あのー、お言葉を返すようですが、所詮はロックなどとゆう不良の音楽。コンテストなど滅相も無い。由々しきことかと。」

校長「何を言うか。うん。まあ君の心配もわからんではないが。・・・・よしっ。わしが直接見て確かめて来
るわい。それでちゃんとしておったら君も納得してくれるな。」
ホズミ「あ、まあ、その、そこまで校長がおっしゃられるなら。」
理事長「わしも連れてってくれ。わしも見たい。」
校長「はい。シロー君、いいな。今日はそのライブってやつやってるかい?」
「は、あの、出来るのは出来るんですが、例のショータ君が謹慎中でして。」
「何!そんなもの解除解除だ。アスカ!今から行って彼に伝えて来なさい。」
「はーい。」
バタン。

校長「久し振りにザキ町へ行くかー。なんだか体がカッカカッカしてきたぞ。わははははは。」

バタン。ドアがまた開いた。
「あ、あの今アスカがここに来ませんでしたか?あ、行きましたか。ははは。すみません」
バタン

シロー「あれ今のジャックさんに似てたような・・・・。」


ばたばたばたばた、ばたん。ドアが思いっきり開きます。
アスカ「はあはあはあ。ショータ君もう帰っちゃった。」

校長「何だそのかっこは。はしたない。
うーん。しょがないな、じゃあ、ショータ君のところへの電話はわしがするから。」
シロー「あ、では私も帰り際寄って行きますよ。親御さんも心配してるでしょうし。」
校長「そうか。じゃそうしてくれるか。もう少ししたら私らも桃屋に向かうから。」
シロー「店の場所わかりますか?」
「何、アスカと一緒に行くよ。いいよな?」
アスカ「えー、連れてってくれるの。わーい。久し振りにライブ!テツヤも呼んじゃおうかしら。」
校長「いかんいかんそれはいかん。目立つ目立つ。」
シロー「はぁ?」
「ははは。気にしないで。じゃあよろしく。」
「失礼します。」

とゆうことでシローおじさんは蛇屋に向かいました。

てくてく てくてく

ぴんぽーん
「はーい。」
と出てきたのは蛇を持ったショータの母。
シロー「ぎゃっ。」
「あ、ごめんよ。今これさばいてクスリにしようとしてたとこで。」
「はぁ。」
母「ところでお宅は?あ、もしかしてシーさん?あいんやシローちゃんかえ。」
「あ、はい。この度はうちのことでご迷惑をおかけしました。」
「あ、いんや。さっき校長先生から直々電話いただいてね。侘び入れてもらっちゃって。
こっちこそバカ息子のことで皆さんにご足労かけちゃって。おい、ショータ!ショータああ!。」

どたどたどた

「なんだよ母ちゃん。今着替えてたのに。あ、おじさん。わざわざ来てくれたんですか?」
「ああ、一回挨拶もせにゃいかんと思ってね。」
「気ぃ使わなくていいのにー。今、準備できたとこです。行きましょう行きましょう。」
母「よろしくお願いしますよ。しっかりやってこいや。」
「それでは失礼します。」

てくてくてくてく

ショータ「何か変だなあ。最初はうちの母ちゃん怒ってたんだけどおじさんのとこでやってるって言ったら急に態度変わっちゃって。どうしてだろ。」
「あ、はあ、へ。まあ。っね。」
シローちゃん、昔はこの辺りではほんとにアイドルさんだったみたいです。ショータの母ちゃんもファンだったのね。

きいいい。ばたん。

おさむ「お、ショータだ。いいのか来ても。」
ショータ「へへへ、ご心配かけました。」
ケン「おじさん、凄いや。早い解決。やっぱ言ってただけあったなあ。」
シロー「ばかいえー。見くびってもらっちゃ困るなあ。早足のシローさんといやあこの辺じゃちょっとした名前よ。」
ショータ「おじさん、見得切るのはその辺にして、ほら、あの話しなくていいんですか?」
「あ、そうか。今日、ショータの学校の校長先生と理事長さんが君たちのライブ見に来るよ。」
全員「えーーーっ!!」
「ははは、気にすることは無い。何も脅かしに来る訳じゃないから。今度全国大会に出るんですっ
て言ったら興味を持たれてね。それでだからいつもの通り、いつもの通りでいいんだよ。」
ケン「何だ。びっくりしたなあ。じゃいつもに増して気合入れるか。なあ、みんな。」
「おーー!」

夕方5時半になりました。
ライブが始まってます。
校長と理事長はカウンターに座って。
校長の服装は多羅尾坂内そのまま。理事長は・・・やっぱ着物。東京物語、いやここは横浜物語。
隣には・・・何とヤクザのジャックさん。よせばいいのに校長に話しかけるよ。
「失礼いたしやす。お見掛けいたしやすとどこぞの親分さんとお見掛けいたしやした。どうかサカ
ヅキ受けてくださいやし。」
「おお、おお、酒か。ま、いいだろ。喜んで。ところであんたもこのバンドのファンかい?」
「へ、もちろんでやす。出来た時から僭越ながらお世話してやした。」
「ほうそうかいそうかい。」
そこへ前で聴いてたアスカがやってきて。
「あ、テツヤ。来てたの。何そのかっこ。だっさーい。」
「へ?テツヤ?あねさん。なんか勘違いしてるんじゃ。」
校長「あ、あ、アスカ、この方は違うんだええっと」
「名乗るほどのものじゃごぜえませんが、ジャックと申します。
「ボク、ヤマモト!」
「お前は良いんだ」ばこっ。

隣で理事長
「それにしてもこの楽団、ええのう。目がきらきらしておる。若者はこうでなくちゃいかん。」
校長「はい、私もそう思います。楽しいですなあ。これがわからんのは人間じゃない。我が校の誇りです。」

シローおじさんはそばでニコニコ。お二人ともブギー兄弟になってくれたようです。
posted by 山 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 第12回「密告」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月22日

第11回「ジョニーさんといっしょ」

010.jpg

夏近い蒸し蒸しする日曜日。午後7時。ようやくザキにも夜の帳が下りようとしております。
ぶーーーっ、きっ。
桃屋の前に一台のタクシーが止まりました。
がちゃ。
「ぺらぺ〜ら(釣りはいらねーぜ)。」
出てきましたのは粋なツバ広帽そしてデカサングラスの痩身の男。ロイクです。上から下まで真っ白の服着てる。シャツだけはブルー。
続いて出て来ましたのは2人の美女美女。一人は背の高ーいロイク(黒い)の姉ちゃん。髪はパツキン(金髪)、上から下まで真っ赤です。そしても一人は中背のアジア人。デビド・ボイのチャイナガールのクリップに出てくるような日本人からしてみれば「美人?」ってお人です。外人好み美女の彼女、中国人か和人か不明。タクシーから出て来たとたん白の兄いを挟み撃ち。ぶら下がってます。
「へい。ぺらぺぺぺぺらぺら?(へい、ここがそのハコかい?)」
と話しかけたのは最後に降りてきました男。身の丈2メータ10センチあろうかちゅう物凄いでかロイク(黒い)です。でっかい黒のギターケースをトランクから出しながら。
「ぺーらぺ、ぺらぺえええぺら。(間違いない。ここだよ。入ってみようぜ。)」

店内では・・・・
待っています。ジョニー・ギター・ワトソン。今か今かと。ただ待っていても間抜けなので、ブギー兄弟一同と横浜ブギ・ホーンズの面々はセッションをやっておりました。軽めの4ビート・ブルース。ロッキン。サックスのキシダさんが曲に似合わぬコルトレーンばりのノンブレス奏法音の布団の下敷きやっておる時に。その男は入って来ました。
一転して黒い空気に変わる店内。満員のお客共々誰もが入店に気付いております。

誰も振り返ることが出来ず、兄弟もそろそろと演奏。キシダさんはさすがにハケました。
全身白の痩躯の男、ジョニーさん、入って来て立ち止まり店内を見渡します。左、右と。
カウンターにいるシローちゃんに気付きました。
ニっと笑って近づく。
シローちゃんカウンターから出ながら握手握手、抱き合ってお互い耳打ち、何か笑いながらしゃべってます。
そしてジョニーさん美女二人を紹介。シローちゃんも握手。でかロイクも紹介。握手。どうやらジャアマネ(マネージャー)のようです。
そしてステージ前のテーブル席を指差してジョニーさんを案内します。
ここで割れんばかりの拍手。
兄弟たちも演奏を止めて拍手拍手。
一行は席に着くと、ジョニーさん右腕を高くパッと上げました。
拍手ピタッと鳴り止み。
しーん。
誰かが・・・
「じょにー」
誰かが
「じょにー」
それに吊られてあちこちで
「じょにい、じょにい、じょにい、じょにい」
と大ジョニー・コール発生。最高潮に達したところで
ジョニーさん、左手を高くパッと上げます。

し〜〜〜〜ん。

ジョニさん兄弟たちに向かって
「ギミ・サム。ギミ・サム・ぺらぺらぺ〜ら。」
どーんと親方座りしてます。

ケン「おい。おさむ。何か言ってるよ。」
おさむ、笑顔をジョニさんに向けて、それから
「えーともしかして何か曲やれって言ってんじゃないのか?」
ケン「そうかな。オリジナルがいいかな。」
おさむ「いやこうなったら最初からあれやっちゃおぜ。一緒にやるなら早いほうがいいや。」
ケン「そうだな。やろう。    おめーたちよーく聞け。フォーメーション4−2だ。」
全員「いえーっ!」

かん、かん、かん、かん(マコのスティック)
♪ちゃちゃっちゃ、ちゃちゃっちゃっ。ちゃちゃっちゃ、ちゃちゃっちゃっ。
ちゃちゃっちゃ、ちゃちゃっちゃっ。ちゃちゃっちゃ、ちゃちゃっちゃっ。

これは。これはジョニー・ギター・ワトソン、1977年ブラック・シングル・チャート最高位5位の大ヒット
、A Real Mother for Yaのリフだ。

わーっと沸き立つ会場。
ニヤっと笑ってるぞ御大。


ここで皆さんにはコマーシャルっと(^0^)。


A Real Mother for Yaだ。
ケンがギターを弾きだした。
ニヤッと笑ったワトソンさん。ジャーマネにアゴで合図をしました。
ジャイアント・マネージャー氏、おもむろに黒のギター・ケースを開けると取り出しましたのはギブソンES335。上から下まで眺めて、ペロっと鳴らして。ジョニーにギターを渡す。

ジョニー・ギター・ワトソンがステージに上がりました。
イットクがサッとシールドを渡す。
かねて用意のフェンダー・トゥイン・リバーブ・アンプにシールドを差し込んで、ペロぺろって音を確かめ軽くチューニング。ニヤッと笑うとケンのそばに近寄って行きます。

耳元で何か囁く。
わかんないけどとりあえず微笑むケン。
弾け弾け弾けって言ってるようだ。
ごりごりごりとケンはフレーズ発射する。
それに併せて弾きだすジョニー。

わーーーー。
会場がざわめいた。

ひとしきりバトル展開後、またケンの耳元に。

「ぺらぺらぺーら(ソウルだ。ソウルだよケン。)」
ケンちゃん思わずお辞儀しました。
ジョニーさんもお辞儀。

次にバックでリズム刻んでたおさむのところに言って弾け弾け。
おさむくん、目をまん丸にして。ポケットからかねて用意のスライドバー取り出してぎゅいーーーん。
「おー、ファンタースティック!」
ジョニーが驚いた。そして一緒に弾きだします。
1周して最後はユニゾンでばっちり合した。
わーっと会場拍手。ジョニーさんも拍手。そしておさむの頭をパーンっとはたいて、親指を立てた。
お辞儀をするおさむ。嬉しそうです。

脇で片手でハーモニカ、ぷわぷわ吹いてるイットクの元へ。
「ブロウ!ウインドブロウ」
わかんないけど何となく察したイットク、必死に吹きます。ギターでからんでいくジョニー。
一周廻って機転を利かせたイットク君、さっきのキメのフレーズ出してジョニーと合せます。
決まった。
わーっと会場拍手。
親指立てたジョニー。肩をポンと叩きます。そしてケガをして包帯吊ってる右手に口を近づけて
「ふっふっふっ」と息を吹きかけた。OKマークを出して。
握手をして。お辞儀深々としますイットク。

ベースのショータのところへ。指差して弾き方を笑ってます。そして通り過ぎる。通り過ぎるー?
ショータ、弾くのをやめておいおいって手招きしちゃったりして。
会場爆笑。
通り過ぎた振りをして戻って来たジョニーさん、いきなりバリバリバリってすげーフレーズ出しました。
慌てて応酬するショータ。覚えたてのチョッパー、がんがんかまして青筋立ててる。
一周してさっきのフレーズでキメ。
決まった。
わーっと会場拍手。
ジョニーさん近づいて耳元で
「OKOK。ぺらぺらぺーら(お前のその弾き方最高だぞ。それでいい。それでいいんだ。)」
英語赤点のショータ君、何故かわかって喜んでます。ペコペコお辞儀して握手。ジョニーを指差して拍手。会場も大拍手。

奥でピアノを弾いてるアッコのところへ。
しばらく演奏振りを見ています。腕を組んで。
黙々とリズム弾いてるアッコ。併せてジョニーがソロフレーズを巧妙に絡ましだす。
そのうまさに思わず応酬してしまう。
キメのフレーズ。
わーっと会場大拍手。
バッキングに戻って引き続けるアッコに近づいて、額にキッスしてしまいました。
親指立てるジョニーさん。
アッコ顔真っ赤にして驚いてます。会場拍手。気を取り直して握手。お辞儀をしました。ジョニーさんも
お辞儀。

ドラムに近づいていきます。
きょろきょろしてどこだどこで叩いてるんだと探すふりするジョニー。
会場爆笑。
そしたら飛び上がってマコがトップシンバルをクラッシュしました。
「OH!!」と初めて気付いたふりしてるジョニーさん。叩け叩けと腕をパタパタする身振りしてます。
それを見てマコ。どだだだだどだだだんすこここんとドラム・ソロ。すぐ止めてタメにタメまくったファンク・ステディ・ドラムを叩き出す。それに併せて弾きだすジョニー。3周もやっちゃった。
キメのフレーズ。
決まった。
大拍手。
ジョニーさん笑いながら拍手しながら近づいて握手、額にキッス。耳元で何か囁いた。秘密です。
マコ、ニヤッと笑って叩きながらお辞儀。

ステージ中央に戻って
「ファンタースティック!ヨコハーマブギブラザース!マイ・ブラザー!」
会場歓声。
ジョニーが歌を歌いだした。

そしてギターソロ、ギターソロ、ギターソロ。
ギターソロを弾きながらお店真ん中の通路を入口に向かって歩き出します。
後ろを付いていくジャーマネとお付美女二人。
そのまま店の外出ちゃったよ。
シールドを引っこ抜いてギターをマネージャーに手渡すジョニー。
美女二人の肩を抱いて夜のザキに消えていきました。

おさむ「かっこよかったなあ。」
ケン「あいつアッコにキスしやがった。」
ショータ「あいつマコにキスしやがった。」
バコっ。
前を見ながら叩かれましたショータ君は。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


もうすぐコンテストの本選だなあと緊張感がじわじわっと増して来ました桃屋店内。
今日も今日とて夕方のライブを前にカウンターでバーテンのフィル・コリンズ・アッテンボローとケンちゃんがのんびり話してます。

「あ、そうだ。ケンちゃん、こないだ貸してもらったレコード聴いたよ。」
「えっ、聴いてくれた?それで、それでどうだった?。」
「いやー似てる似てるってあんまり言われるから避けてきましたけんど良いでした。フィル・リノットって歌うまいねえ。曲も気に入ってましてすっかり一緒にシンギン。出来るようになっちゃいました。」
「ほんとー!良かった良かった。じゃ聴かせてよ。
 みんなー。フィルがフィルやってくれっぞー。早くこっち来いよー。」
おさむ「何だ何だ。フィルがフィルって。訳わかんねえよ。」
「ま、とにかくこっち来いや。さあ、フィル頼んまっせ。」
「えーそんなあらたまみちよ、いや改まって言われても恥ずかしいヨ。出来ないヨー。」
「えーって。こっちだってえー、やっておくれよう。」とケン。

おさむ「ちょっと待ったケン。ぼそぼそぼそ。」
ケンに何やら耳打ちしました。
「ふむふむふーむ。ははは。そりゃいいや。ふむふむ。ぎゃはは。それ行こう。」
フィル「何ヨ。ふむふむって。気持悪いヨー。」
ケン「あ、恥ずかしいならしょうがないよね。とにかくレコード聴いてバッチリ歌って楽しんどいて。」
フィル「はい。それはたしろまさし。いや楽しみますが、何ヨ。ほんと。気色わるね。」
おさむ「ははは。気にするな。ほら奥でジャックさんがおいでおいでしてるよ。」
「はいヨー。今いくよー。    来るよー。」

ケン「みんな、あっちの机で話そうぜ。」

アッコ「何たくらんでんのよ。いったい。」
ケン「へへへ。フィルがシン・リジイ歌えるようになったってからさあ。作戦ナンバー2番決行だ。」
ショータ「そりゃ結構。って何でしたっけ2番。」
イットク「そもそも1番てありましたっけやんけ?」
おさむ「まあそれはいいから、みんな1曲だけシン・リジイ出来るように練習しよう。」
ショータ「何でですか?」
イットク「鈍いねえ。おまはん。あれでがしょ。もしかしてフィルにフィルやらせようってんじゃ?」
ケン「ぴんぽーん。」
アッコ「あははは。馬鹿ねえ。」

男ども「馬鹿ほど楽しいことは無し!」

ケン、店のテープ置場から持ってくるテープを。
「はい。これ。リジーの「やつらは町へ」が入ってます。」
イットク「おやまー。これはまた手回しが良いこって。」
ケン「それからっと。おさむ。おさむんちにノコギリと何か板無いかな?」
おさむ「えっ?何に使うの。確か店の裏にあったと思うけど。」
ケン「今日ライブ終わったら行くからさ。一緒に作ろうぜ。」
おさむ「だから何を?」
ケン「ひ・み・つ。アッコも手を貸してくれるかな?」
アッコ「いいけど。何よ。」
ショータ・イットク「いいないいな。楽しそうで。混ぜて混ぜてー。」
ケン「ははは。じゃあ明日にしようか。音をコピーした後、音合わせを兼ねて作ろう。」

と兄弟たち、次の日集合してあるもの全員で作りました。
そしてそれを持って桃屋にけんざん。

ケン「ちわー」
フィル「こんにちわネー。今日も元気でみなさんごくろーさん。」
おさむ「ちょっと時間あるかい?フィル。」
「今、暇な時間だから大丈夫あるヨ。」
ケン「じゃあ、ちょっとこれ着てみて。プレゼントだー。」
真っ赤なTシャツに黒の革ジャン。パンタロンのGパンを出しました。
「わー。嬉しいネ。素敵ですね。高かったですカ。」
おさむ「心配すな。古着だから。さあ着て着て。」
「はいはいはい。」

全員「おーーーーーーーー!!!」

フィル「何がおーですか。」

全員「そっくりだ。」

ケン「じゃあちょっと待ってね。」

兄弟たち、全員、急いでステージで演奏の準備。

おさむ「てめーら準備出来たか。」

全員「おーーー!」
おさむ「親方、準備出来たそうです。」
ケン「おー、そうかそうか。ではでは
   おーい、フィル。ちょっとこっち来てくれよ。」
フィル「はいはい。何ですか。何か企み感じるあるー。」
ケン「いいからいいから。じゃあこれちょっと持って。」
と差し出したのは、おさむん家に有った板っ切れにベースの絵を描いたものです。
フィル「何ですかこれは。えー。」
ケン「まー、いいからいいから。フィルは「やつらは町へ」歌えるだろ。」
フィル「はい。あれいい曲です。バッチリ歌えるだヨ。」
ケン「そうか。じゃあみんな、行くぞーーー!!」
マコ、カウント
1,2,3,4
♪ジャー、だだだだんだだん、ジャー、ジャー♪
♪ジャー、だだだだんだだん、ジャー、ジャー♪

フィル「わわわわ
Guess who just got back today?
Those wild-eyed boys that had been away
Haven’t changed, haven’t much to say
But man, I still think those cats are great

They were asking if you were around
How you was, where you could be found
I told them you were living downtown
Driving all the old men crazy

The boys are back in town じゃーんじゃーん
The boys are back in townあーあん
The boys are back in town

つい歌いだしてしまいました。

スタア誕生の瞬間です。



今日も今日とて桃屋では熱いライブが絶好調。演奏するは親父バンド「桃屋」です。

結局バンド名が決まらずいつのまにか「桃屋」ってことに。
めずらしくハナさんがオルガンを弾いてる。毛糸の帽子かぶって。
カメラが寄って行った。ハナさん上を向いて陶酔。おー画面がフリーズ。

サン・ラだ。

画面が溶けました。
すぐさま、ハナさんドラムに飛び乗ってドラム・ソロ開始です。

どがすご、しゅがくこ、ずどどどんどん。ぶひゃじゃべー。

そこに入って来たのが只ならぬ雰囲気を漂わせたコート姿の二人組みです。一人は30代後半、細面、般若のごとき厳しい面相。もう一人はやや小柄、丸顔でぎらぎらした若者のよう。
すぐにカウンターに向かう。

「やっ、シローちゃん、久し振り。」
「お、ナリタさんじゃないですか?お元気そうで。嬉しいなあ。何か飲んでいってくださいよ。」
ナリタ(ザキ署刑事)「いや、実はまだ勤務中なんだ。残念だけど。」
「今日は何か?」
「いや、何ね。この前このの店で若いバンドに殴られたって届けが来てね。まあ、どうやら未少年同志のことなんで事情を聞いてからと思って握ってはいるんだが。」
「そうなんですか。じゃこの前のあれかな。ひどいヤジが原因でちょっとしたいさかい有ったには有りましたが、血気盛んな若い連中のことなんで。騒ぐほどのことではないかと思いますが。」
「なるほど。そうなんだ。ちょっとお客さんに聞いてもいいかな?」
あ、っと待ってくれと言いそうになるシローちゃんを右手でサッと制して、ステージの方を向く。

カウンターの隅では
ジャックさん、ヤマモト、オサム、アキラのいつものおあ兄さんが。
ちっちゃくなってます。
ヤマモト小声で「ねえ、兄貴。なんで言わないんですか。何でも無かったって。あの時いたじゃないですか。うちらだって。」
ジャック小声で「ばかっ(ぼかっ)。お前うちらが信用される訳ないだろ。ヘンなこと言ったら逆に取られちゃうじゃないか。気付かれないように小さくなってんの。」


ナリタ、声に気付いて振り返る。
「何だ。ザキの名物兄さんたちが揃いも揃って。悪いことしてないだろうな。」
ジャック「はい。してませんです。お酒をちょっと飲ませて貰ってます。」
「そうだオサム、お前今の話聞いてただろ。あの時ここにいなかったのか?」
アキラ「あにき〜、呼ばれてますよ」
オサム「ぼかっ。ばか、わかってるよ」
ナリタ「何〜〜〜?」
オサム「あ、違います違いますバカはこっちのバカの方で。はい。あ、あの時ですか。確かいましたが。」
アキラ「えーっと、ここにいる兄さん方皆さんはライブの前にへべれけになっちゃいまして。はい。僕も含めて潰れてました。はい。」
オサム小声で「お前たまにはいいこというなあ。」
アキラ「うーん、あにき〜〜。たまには俺だって活躍しますよん。あにき〜〜。」

ナリタ「あ、そうか。わかった。」
連れの若手刑事石橋「わかったってナリタさん。こいつらの言うことなんか。」
ナリタ、右手で制して。

ステージ上ではドラム・ソロ真っ盛り。どだすがでんとでかく叩いてスネア・リブをちんこちんこ。
だんだん小さい音に。そのまま目の前のもの、そして床を叩きながらドラムを離れてステージ中央マイクの方へ。マイクの足元からスタンドを叩きながらせり上がって行く。
最後にマイクをちんこちんこ叩いてキメの

コンっ!

その時
ナリタ大声で「あー、楽しんでるとこ悪いがちょっといいかな。この前この店で若いバンドと客とで小競り合いあったそうだけど。その様子を見た人がいたら教えてくれないか。」
後ろでシローちゃんが、張り手のポーズしてそれからバッテン、必死にやってます。
ナリタちょっと振り返ってシローちゃん、パッとやめて「熱いなあ。熱いですねこの店」とぱたぱた扇ぐふり。

その時客席から若い兄ちゃんが
「あー、いましたよその時。ヘンなヤジ飛ばしてたやつらがいて。怒られたらコップ割って帰って行ったなあ。」
ナリタ「ほお、コップ割ったんだ。」
別なところにいたおじさんも
「そうそう。バツが悪くなったんじゃないかな。コップ割ってお金払って帰って行ったよ。ねえマスター。」
シローちゃん、うんうんと。
客席で
「そうそう。」
「失礼なやつらだったなあ。」
「ほんとほんと」
の声。

ナリタ「とすると暴力なんかはなかったんだ。」

「ないない」「ないない」「うん無いよそんなん。」

ナリタ「わかった。どうもありがとう。ハナちゃん、久し振り、続きやってくれ。」

ハナ、にかっと笑って、両手を挙げてサッと下げた。
じゃーーーん。曲のキメやって終了。

ナリタ、シローに向かって「やあ、迷惑かけたね。何でも無かったてんで安心したよ。また来るから。今度は非番の時に」
シロー、ホッとした様子。にこにこして何か言おうとする。
サッと右手で制して、若いのを促して店を出る二人。

イシバシ「いいですかナリタさん。あんな調べで。」
ナリタ「ああ、あのシローって男はいいかげんなことで嘘は付かないやつだ。あいつに任せて置けばあの店は安心だよ。」

162

2005年09月20日

第10回「僕らハコバン」

011.jpg

「ちょっと待ったーーーーー!!!!」

突然店の入口の方から大声が。

ケン「あーびっくりしたー。ウエキさんじゃないですか。」
「そうそう。私がかの有名なウエキです。おしさしぶりー!!」
おさむ「あ、キシダさんも。ハナさんも。イカリヤさんも。」

ブギー兄弟うち揃って
「こんにちわー。久し振りです。」

イカリヤ「おー相変わらずチームワークばっちりでけっこうけっこう。」
奥からシローちゃんも出て来ました。
「いやー来たね諸君。どうだいこの子らの演奏は?」
ハナ「そうそうそれそれ。いや随分腕上げたねえ。びっくりしました。アッと驚くためごおろう。」
ウエキ「ほんまほんま。話には聞いてたけどアッコちゃんピアノうまいねえ。おじさん感心しちゃったよ。」
ハナ「それにほらこのオチビちゃん、マコちゃんだっけ、この体のどこにこんなパワーあるのかねえ。」
と頭をナデナデ。マコはもうニター。
「あのー僕達はどーでしょーか?」とおずおずとショータ。

後ろからイカリヤそーっと近寄り紙巻きメガホンで頭をポカっ。
「ナーイス・ヒット!!」とケン。
「ははは。まだまだー。褒められようなんて百万年早いわー。」
「ぐすん。まだですか。」へこむショータ。
「でもこの前よりは90万年進歩したから褒めてあげよう。」
「え、90万年ばんざーい。」
「ははは。それよりさっきの曲。なんだい?あれは。」とウエキ。
ケン「えーとオリジナルです。僕が作りました。てへ。」
「ほー凄いじゃない。驚いたねナイスな曲だよ。でも何か悩んでいたようだけど。」
「そうなんです。イントロのとこが寂しいんじゃないかって。」
「ふーん。ちょっと待ってね。」
とウエキさん、カバンから何やら紙出してすらすらすらーっと。書き上げるとキシダに渡した。
「へー、面白いですね。さすがウエキさん。」
「さあ君たち、演奏したまえな。」とウエキさん、キシダさん、それぞれ自分のラッパ取り出して。
おさむ「えー、参加してくれるんですか?凄いぞこりゃ。」

アッコ「うまく出来るかなあ。うーん。では行きます。」
1,2,3,4
パーパパパパッパラパ、ぱーぱ、ぱーらっパッパパー♪

ピアノに併せて絡む2本の管。

♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い




間奏でも炸裂。あの曲この曲のフレーズを織り交ぜて。

最後もびったし〆ておくれだ。

ケン「わああ。凄い。何か雰囲気変わったなあ。もう贅沢で。」
おさむ「ほんとだわ。これなら最後の曲でもいけるんじゃないか。」
ケン「もうお願いしちゃおう。すいません。お二人とも本番でもお願いできませんでしょうか?」
ウエキ「どーしよっかなあ。ご褒美なんかないとなあ。」
キシダさんはニヤニヤ笑っている。
「ま、しゃあない。アッコちゃんが歌う曲だから協力しちゃおう。キシダ君もいいよな?」
「いいですよ。いきがかりですから。ははは。」

「と、オリジナルも形になったことだし、さあ君たちステージだ。今晩から頼むね。」
とシローおじさん、いきなりとんでもないこと言い出した。
ケン「えー、ライブですか?聞いてないよー。」
「ほらプログラムとチラシ。用意できてるだろ。」
イットク「ほんとだ。わ、何時の間に。写真まで入ってる。」
シロー「今日からいよいよ桃屋もライブハウスとして本格発進だ。コンテストへ向けた練習としてもいいだろう。まあ遅くなるとマコちゃんも眠いだろうから君達は1番手、7時からのライブだよ。」
ウエキ「その後、我々の登場って訳だ。まあ最後の曲には出て上げるから。」

ケン「うーん、こうなりゃ男は度胸一番。OKです。みんないいよな?今晩からやっちまおう。」
ブギー兄弟一同「おーーー!」

こうして横浜ブギブラザーズ、ライブバンドで本格発進することになったのです。



「えー、えーっと今日になって決まったことでしてはい、それなのになぜこんなに

(し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん)

桃屋ライブ発進ばんざーーーーい!!

(し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん)

とゆうことで、なぜこんな一杯お客さんが...」

「何言ってんだー代表バンド!。」
「あの時見てたんだぞー。」
「がんばれー兄弟。」

「ありがとーーー。ええいさっそく行っちゃいます。1曲目はロックンロール黄金時代だー。」
ケンちゃんやっと吹っ切れてぶっ飛ばしたぞ。

<わーーーーーーーーーーーーーー>
客席も大爆発。

♪かかかかかかかか、かかかかかかかか、かかかかかかかか、かかかかかかかか
ふぁあふぁっ、ふぁあふぁ、ふぁっふぁっふぁふぁあふぁ、ふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁ
ふぁふぁっふぁあ

みんでヘイ、おいらもヘイ、とってんころりんヘイホー

上がっちゃって歌詞がめちゃくちゃだー。

♪じゃじゃじゃ、じゃじゃじゃ、じゃじゃっじゃーーーーーーーーん、じゃん♪

(し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん)

「えっ?だめっ?」

<わーーーーーーーーーーーーーー>
「いいぞー!」
「さいこー!」
「だいとうりょーー!」「たまやー」

おさむ「わ、わ、わ。ありがとーーー。ありがとー。いえー。じゃどんどんいっちゃおー。」

のりにノッた兄弟たち、すっかり緊張もほぐれて快調に曲を次々と。客席の熱気もどんどんアップだ。

そんなこんなで5曲目タッシュを軽く決めたその時、客席もちょっと一段落落ち着いたその時、店の右奥の机に陣取ってる連中から声が

「へいへい。うまいぞー。ヘボにしては。」
「だせー曲をようよくやるよな。一生懸命。」
きゃはははははは。

ショータ「あ、あいつら。コアラのマーチだ。」

「くそだぞ。くそ。みなさんこんなクソにだまされてないで帰って寝ましょうね。」と叫ぶは確かにコアラだ。
するとコアラの隣、今まで黙っていた姉さん、もちろんそれはジュン子姉さんです。立ち上がって
「きゃああ。しびれるー。ボーカルのだーりん。カマ男だけどーーーーん。」
とくねくねと。

客席がざわざわし始めた。

店のカウンターにいつものように座ってたジャックさん
「あいつらー。何者だ。こんなめでてえ時に。」
「ええ、確かあの子達のライバルバンドのコアラのマーチってのかと。」と子分ヤマモト。
アキラが興奮してます。
「あにきい〜。なんとかしてくださいよう。あいつら凍っちゃってますよう。」
「くそう。俺が行ってきます。」
とオサム兄貴が立ち上がったその時

ピアノの前でマイク・セッティングしてたアッコ、スクっと立ち上がると客席に向かって歩き出した。

かっかっかっか。

ジュン子姉さんの前に立った。

ばしーーーーーーんっ。

「おだまり!!」

顔を思い切りはたきました。

はたくとくるっと180度。回転してたったった。元のピアノ椅子でマイク・セッティング。

(し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん)

(し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん)

ケン「おだまりーーーーーーー!!」とシャーウト。

ショータがパプーとハープを鳴らした。

すると客席が

「おーだまり。おーだまり。おーだまり。おーだまり。」
一斉に巻き起こるおだまりコール。

ほっぺたを押さえて呆然と立ってたジュン子姉さん。
「お前たち。帰るよ。帰るんだよ。」と立ち上がって机のコップを床にパシーンと投げつけた。
バラバラになったコップ。

(し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん)

入口に向かって歩き出すコアラのマーチ。

「おーだまり。おーだまり。おーだまり。おーだまり。」再びおだまりコール段々大きくなって最高潮に。
ジャックさんもヤマモトもアキラもオサム兄貴も参加です。

満員のお客さん、モーゼの奇跡みたいに真っ二つに割れたその通路を歩いて入口に差し掛かった時

「ちょっとあんたち待ちなさい」
シローちゃん登場。

「飲み物代、食べ物代、それからコップ代、しめて3000円となりまーす。」

ジュン子姉さん、アゴでコアラに合図するとおずおずと財布から出して払います。

「おありがとうごーざーい。」

「おありがとうござーい」と会場全員も。

ケン「さーみんな、盛り上がってきたところで最後の曲だー。
最後の曲はオリジナルだぜ。
それにー
特別ゲストがおります。
横浜ブギイ・ホーンズ!!  ミスター・ウエキとミスター・キシダ! みなさん拍手をーー。」


<わーーーーーーーーーーーーーー>「キシダさーん」「よ無責任男!」

1,2,3,4、5,6,7、はい

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


桃屋レギュラーライブ初日のブギー兄弟達。
うまくいったようです。



「ちょっと君たち。来て来て。」

土曜日の昼の部のライブを終わって満員のお客さんにいえーいえー、頭はたかれるわ体触られてきゃあって言うわもー大変なブギー兄弟たち。シローちゃんにカウンター席に来いと呼び止められます。

「えー、なんすかー。」
「お疲れ様ー。今日も良かったよ。新曲もまとまってきたねー。」
「いやどもども」とケン。
「いや実はね。このレコードなんだが。」
と取り出だしましたのは、黒人さんが巨大乳母車に乗ってお母ちゃんに押されてるジャケ。

ケン「何ですか、このレコード。」
ショータ「あ、ボク、この人知ってます。この前ソウルトレイン出てました。かっこよかったなあ。」
バコっ。
ケン「こらいいかげんなこと言ってんじゃない。」
ショータ「えーほんとですよー。いてーなー。」
シロー「ははは。それはぶたれて気の毒だ。当たりだよきっと。これはジョニー・ギター・ワトソンって人のレコードなんだ。」
ケン「あ、そなんですか。ごめんショータ。ほら俺をぶっていいぞ。ガツーンと。」
ショータ「いいですいいです。後で倍になって帰って来そうなんで。ははは。」
おさむ「お前意外と頭いいんだなあ。あんまり変わりないと思うけど。」
イットク「それはええねんでっからどうゆうことですかいの。そのレコードは。」
ケン「お前しばらくしゃべって無いと思ったら関西弁下手になったなあ。偽者かー?」
シロー「ははは。そりゃほんものだろ。ねえマコちゃん?」
ニターと笑って首を振るマコ。
イットク「そんな殺生な。じぶんいつからそんな芸身に付けたんや。まいるわ。ほんま。」

一同爆笑。

ケン「で、ほんとにそれが何なんでしょうか?」
シロー「あ、そうそう、それでね。このレコードをコピーしといてくれないかね。いや昔と音が変わってすっかり今風なんでうちらがやるより君たちがいいんじゃないかと思ってね。」
ケン「それは構わないんですけど。なあ。みんな。」
一同うなずく。
「昔っておじさん、その人知ってるんですか?」
「うん。まあね。ちょっと。それはいいとしてほら。」
と言って下からポスターをぞわっと。ぱあっと広げて後ろに貼りました。


ショータ「えーっと”今話題のファンキイ・ブルース・ギタリスト、ジョニー・ギター・ワトソン、桃屋に来店。兄弟と共演かーー!!?”って東スポ風ですね。って来店っ。らいてーん。」
ケン、はたくのも忘れて
「えーワトソンさん来るんですかーっ?そ、それで僕らが共演っ!!」
「いや来るのは確かなんだけど。共演できるとは限らんが。もしかして出来たら楽しいだろ?」
「はいはいはい」と一同。
「でいつなんですかそれは?とポスター見たら、えー明日ー!!!」
「明日です。だから今日の夜の君たちのライブはお休み。家でコピーしてきてね。はい。」
とカセット6本出して
「さあ早く早く。間に合わないよー。」

「はーい」と全員追い立てられるように帰ります。

「あ、出来そうなやつだけ選んどいたから、きっと大丈夫。」と後ろからシローさんの声がしました。


とゆう訳でジョニー・ギター・ワトソンさんの曲を覚えるように言われたのが土曜日の午後。各自一生懸命覚えたもののやっぱ外タレさんと共演ともなると不安満杯、翌日出番の前にみんなで集まってミーティングしようとゆうことになりました。場所はもちろんおさむん家、来来軒の2階とゆうことに決定。

がらがら〜。(引き戸を引く音です)
ケン「こんちわー。毎度おじゃまします。」
おさむの親父徳衛「へい。いらっしゃいまし。お、ケンちゃん。いらっしゃい。みんな揃ってるよ。それに・・・」
ケン「あ、ほんとだ。ごめん最後になっちゃったか。」
メンバー全員カウンター席についてラーメン食べてる最中。どうやらそれを当てにして早く来てたらしい。
ショータ「あ、リーダー。いや別にまだ時間じゃないんでいいですけどね。それはそうと。」
と長〜いアゴで角の席を指してます。
ケン「えっ。何?あそこ?   あ、兄貴。」
角のカウンター席でラーメン食ってる男、麺をすすりながら手だけ上げます。
ケン「兄貴。どうしたの。帰ってたんだ。しかし何でここに・・・」
ケンの兄、トミユキ、麺を口に入れたまま
「ふがふが、今さっき着いたばかり。腹減っちゃってね。急にここを思い出して食べたくなったんだ。」
とおさむの親父に会釈。
「まったくありがてえじゃねえか。こーんなちっちゃい時から食べてるもんねえ。帰ってきたら直行なんて涙が出るよほんとに。なあマサコ、いやマナミ。」
「やーねえ父ちゃん。名前間違えちゃいかんずら。ほんとにねえ。嬉しいねえ。と、ケンちゃんケンちゃん」と背中越しに何やら2枚のチケットをケンに見せる。指差して凄い顔でトミユキ兄ちゃんの方を顔で指してます。
「どうかしましたか?」トミユキ。
「いえあの、何かそのー背中痒くて。ねえ。困っちゃうわ。ほほほ。」姉。
ケンの方に寄って来て小声で
「鈍いわねえまったく。これスカラ座の券2枚。前からお兄さんが帰って来たらよろしくって頼んでたじゃない。」
「あ、そうでしたそうでした。すんません。ってことはおデート申し込みですね。何とかやってみます。」
「頼むわよ。うまくいったらラーメンしばらくご馳走してあげるから。」
「ラーメンですかー。チャアシュウ麺が食べたいなあ。」
バコっ。ケンの頭叩いて。
トミユキ、顔を上げて怪訝そうに。
マナミ、振り返ってニコーっと笑います。
ケンに
「こらっ、足元見るんじゃないっ。うーん、仕方が無い。交渉成立だ。そのかわり失敗したらー。」
とゲンコツぐりぐりしてます。
「はい。只今やりますやります。」
「父ちゃん、ケンちゃんにチャーシューメン一丁ね。」
「おや今日はケンちゃんチャーシューメンかい?」
「はいはいいいのいいの。ねえケンちゃん。」
「いいなあリーダーだけチャーシュウメン。」とショータ。
バコっ。
「いてぇー」
すかさず姉ちゃん、ショ−タ引っぱたく。
ケンの方を見て凄い顔。アゴで指す。
「ひえ。あ、あの兄ちゃん。」
「何?」
「今日この後時間があるんだろ。久し振りに映画なんか見ない?スカラ座の券2枚あるんだけど。」
「リーダー、そんなん2枚あるんだったらアッコさんとデートしなさいよ。」とショータ。
バコっ。
「いてー」
「何?」
「いや何でもない。どう、見ない。えーと今は確か宇津井ケンのザ・ガードマン東京砂漠だったかな。」
「うーん、そりゃ休みで帰ってきたから時間はあるけど、宇津井ケンかあ。面白いかな。」
「あ、田口計と今井ケンジも出るよ。」
「ほんとか。じゃあ行こうかな。でも券2枚あるんだろ。あと一枚は?」
「あ、ほんとだ。あと一枚ある。あ、そうだ。マナミ姉さんこの前これ見たいって行ってませんでしたっけ。」
「え、私。うーーん、確かに見たい映画だけどー。どうしよっかなあ。忙しいかもしれないしー。」
と体をくねくねさせてます。気持悪い。
「行きませんか?」とケン。
「うんにゃ。いくいく。行きますわよ。」とニターっと笑います。
「じゃ決定!兄ちゃんと姉ちゃんで映画に行くっと。」
トミユキ「決定ってお前。この人と俺が映画にいくのかい?」
マナミ「あら、私じゃご不満だって言うのかしら?」
トミー「いえいえそうゆう訳じゃ・・・」
「じゃあちょっと着替えて来るからちょっと待ってて下さいしゃんせ〜。」
るんるんしてトントン2階に上がる。
「お待ちどうさま。」
「はえーなお前」父ちゃん。
「君達、君たちの分のラーメンは今日は私のおごりねぇ。さあトミ〜。一緒にいきましょう。」
「トミ〜ってあーた。」
と強引に手をつないで行ってしまいましたお二人は。

「すまねえなあケンちゃん。面倒かけて。」と父ちゃん。
「すまないケン。面倒かけて。」とおさむ。
「いいっていいって。さあおめーたち!こっちはミーティングだ。2階へGO!」
「へ〜い。」

マナミ「私、映画久し振りだわ。うれしくって。」くねくね。
トミユキ「はあ。僕もずっと見てません。」そわそわ。
マナミ「ねえ、手つないでいい。せっかくだし。」くねくね
トミユキ「はあ。えっ。けっこうですけっこうです。」
マナミ「いいじゃない。ほら。うぶなのねん。」。手どころか腕にむしゃぶりついてしまいました。くねくね。
トミユキ「まいったなあ。」赤くなってます。
マナミ「ねえ、トミーって呼んでもいいん?」くねくね。
トミー「はあ。別にいいですけど。初めてだなあそんな風に呼ばれるの。」
マナミ「嘘おっしゃいマツとコンビ組んでたくせに。」
トミー「はあ。」
マナミ「学校の方はいかがですの?」くね。(もう止めたとにかく必ずくねくねしてると想像してお読み下さ
い)
トミー「いや、何せ地味なことやってるんで。時々嫌になることあるんだなあ。」
マナミ「トミーは何を研究してらっしゃるの?」
トミー「知ってますか。ミジンコってゆうの。あれの研究なんだけど。」
マナミ「ミジンコってあの坂田明ちゃんが増やしてるやつー?嫌だほんと地味ねえ。」
トミー「けっこうあれはあれはかわいいんだ。マナミさんも増やしますか?」
マナミ「えっ!そんな気持悪い。(でも育てればまた会えるかも・・・)、何でもありませんわ。ええ喜んで。

トミー「ほんと?じゃあ今度持ってくるね。いやー楽しみだなあ。中華ミジンコだ。」
マナミ「あ、ここここ。時間も丁度いいし。入りましょ入りましょ。」

二人は横浜すから座に到着。古くからある老舗の映画館で建物は古いものの風格があります。
入場券モギリのおじさん(森川信)「いやーいらっしゃい。おやマナミちゃん。珍しいねえ。今日はデートかい。楽しんでおくれ。バカだねートラは。」
マナミ「嫌だおいちゃん。からかわないで。でも良い男でしょ。うっふん。」

ホールに入った二人。

マナミ「まだちょっと時間があるわ。なんかこう小腹が空いてきたわねえ。ねえトミー何か買って〜〜。」
トミー「じゃあ売店に行ってみようか。」
マナミ「えっ売店っ。あそこにはまだあいつがいるかもしれぬ。」
トミー「何か?」
マナミ「いえいえ無いでもあないわ。いきましょいきましょ。」
とホール端っこにある売店に向かいました。

マナミ「ええと。何がいいかしらねえ。おっ、出たな妖怪。」
売店の売り子(うつみみどり)「あらあらあーら。マナミさんじゃなーい。しばらく。今日はおデート?あなたがまさかねえ。夢じゃないかしら。」
マナミ「へへん。そのおデートじゃ。悔しいかお化け。」
ミドリ「え、ほんとにおでーと。悔しいわ悔しいわ何だかとっても悔しいわ。キンキ〜ン。」
キンキン「何かあったのかーいダイザエモ〜ン。パラリ登場キャット空中三回転。」
マナミ「何このおじさん。まあいいわ。そのお煎餅頂戴。ふたつ。」と直径1mの巨大煎餅を指差す。キンキン「これ食うのか〜い。ダイザエモーン。こんなん1年に1回出るか出ないかにゃよー。1枚千円です。」
マナミ、ひじでトミーの脇腹を突付く。
トミー「痛。あ、はい。払います払います。これ食べるんですか。あ、そう。払います。」
マナミ「ご馳走様。」

二人ででか煎餅持って中に入りました。
マナミ「あ、あそこが空いてるわ。あそこにしましょ。はやくはやくう。」
と全速力で前から20列目ど真ん中にダッシュ。
マナミ「ごめんなさいごめんなさいあらごめんなさい。あら一つしか空いて無いわ。おじさんそっちへズレテくださる?」
親父(エバタタカシ)「うるせえな。いやだね。」
凶悪な顔ながら最後のオシラスの場面までは決して登場せず途中で仲間に殺されてしまう雰囲気の親父が文句言います。
マナミ「ナンだって?」とコブシを見せる。
「はいはいずれますずれりゃいいんでしょ。くそ今日もついてねえなあ。」
マナミ「まー何て親切な方でしょう。ありがとう。はやくはやくトミー、ここ空いてるわよ。」
トミー「すみませんすみません。」

ばりっ、ばりっ、ばりっ。

マナミさん、すげー音で煎餅食ってます。スクリーンでは宣伝のホテルのCMが。
♪「貴方と私のめくるめく一時。ホテル・シャトーはナウなカップルのお越しをまってます」♪
マナミ「まあ、何て素敵なホテル。ねえ、今日あそこ行きません?」
トミー「えっ!!」
マナミ「冗談よ冗談。(ち。行こうって言うかと思ったのに)」
トミー「ごほん。ところでさっきの売店の店員さん。お知り合いですか?」
マナミ「え、ちょっとね奥様は18歳で。いや、あれよ高校の時の同級生。嫌な女でしょあいつ。」
トミー「あー。」
ばりっ、ばりっ、ばりっ。一挙に煎餅ばりっ。
「うるさいなあまったく」前の親父が振り返って。
マナミ「何よ。売店で売ってるんだから何食べたっていいじゃない。あああ。辛いもの食べたら甘いもの食べたくなっちゃった。」
そこへホール担当の売り子さんがやって来ました。
売り子(どらえもん大山)「えーオセンニきゃらめる、ジュースにレッド・ツェッペリン、ままーにオグリキャップいかが。」
マナミ「あ、いいところに来た。そのアイスクリームちょうだい。2個ね。」
トミー「あ、僕煎餅まだなんでいいです。」
マナミ「何いってんのよ。私が2個食べるの。払っといて。」
売り子「駄目だなあ、ノビタくん。じゃーん、あいすくり〜む〜。乳脂肪分18%。食べたら激太りするから注意して食べましょう。」
マナミ「色々うるさいわね。はやくよこしなさい。ばくばく。」
売り子「あー、もう食べちゃったののびたく〜ん。知らないよママに怒られても。」

きーんこーんかーんこーん

そんなこんなで映画がはじました。

♪べーんべんべんべん♪ ザ・ガードマン東京砂漠です。

158

2005年09月18日

第9回「おかゆ食べた?。」

009.jpg

会談終わり一人出てきたケンちゃん。
「わー、びっくりしたなもー。引き抜きかよ。とりあえず返事保留してきたけどさあ。うーん、彼女がいるしなあ、思ったより悪いやつらじゃなさそうだし。」
と誰にしゃべってるんだお前。

そんな不謹慎なこと考えてるリーダーに天誅を食らわすべく天は一転カキ曇り、雨が降ってまいりました。
しかもざあざあ。
もの思いにふけりながら歩いてる彼はそんなこともいっこうに気にせず。

桃屋に到着しました。

ぎぃぃぃぃい。
「やー、みんな。お、全員揃ってるじゃん。」
おさむ「揃ってるんじゃんじゃないよ。遅いーーーー。」
ショータ「遅いっすよー。今何時だと思ってんですかー。」
ケン「え、何時って。あ、10分過ぎ。ごめんごめん。」
おさむ「ごめんってお前しかもびしょ濡れじゃんか。おいおい。」
アッコ「あららー。これ着替えないとカゼ引いちゃうよ。」
ケン「いやだいじょぶ。だいぶ暖かくなってきたから。ぶるるるっるう。うー。」
アッコ「何言ってんの。震えてるじゃん。じゃせめて拭いて。フィル、そこのタオル取ってー。」
「はい、お嬢様。これでよろしいですか。お嬢様。」
ショータ「お、パーカーになってるよフィル。」鳥塚しげきが変装してるのに誰も気付かず。
アッコ「はい、はい、はい」
ケン「あ、もういいよ。これで。サンキュサンキュ。」
アッコ「だって。」
ケン「だいじょぶ。遅れてるからさ練習しよ。」
「じゃロックンロール黄金時代もう1回やってみよか。」
「へーい」

1,2,3
ぽん、たたんたたんぽぽん。
ぽん、たたんたたんぽぽん。いんとろー

(1番)
エブバリ、うーんと。
うーんとうーんと。あれ。うーんと。
ちょっとまったー。
ででででででで〜。

ケン「ごめん。歌詞が出てこないや。ちょっと待って。」
ショータ「んだよー。しっかりしてよー。リーダーなんだからさぁ。俺達はばっちりなのに。」
けっこう言いたいこと言うショータ。空気が凍る。
「ごめん、ごめん。今思い出すからえーと。うーん。気にしないで最後までやってくれ。」

1時間半、終始ケンちゃんボロボロ、何とか終了した。
「うわ、今日はみんなすまん。どうかしてた。うん。この次はしっかりやるから。」
ショータ「頼みますよー。ぶつぶつ。」
おさむ「ま、ショータ堪忍してやってくれや。こんなやつでも調子悪い時もあらあな。」

片付けて店を出る。
おさむ「おい、ケン何か悩み事あるんなら正直に白状せい。聞いて殴ってやるから。ははは。」
ケン「いや、平気平気。大したこたあないよ。ぶるぶる。うー冷えるね今夜。」
おさむ「えーけっこう暑いぜ今日。カゼひいたんじゃないのかお前。」
ケン「だいじょぶだいじょぶ。じゃあな。また明日。」

・・・・うーん頭痛くなって来ちゃった。やべえなあ・・・・

家にたどり着いた。
「ただいまー。」
久し振り原セン婆さん登場。
「こら毎日毎日。遅いじゃないかー。メシ冷えちゃってるよ。」
「ごめんごめん。冷えててもいいか・・」どたっ。
「そうゆうこと言ってんじゃ・・、お、ケンどうしたケン。爺さん爺さんケンが。  ケンが寝ちゃったよ。」
奥からタイジ爺さん出てきた。額に手を当てて
「あ、こりゃいかん。凄い熱だ。とにかく寝かさねば。婆さん足持て。運ばんと。」

ケンちゃん無茶して倒れてしまいました。



何か廻りがもやっとしている。どうやらまたヤマキワのスタジオに来ているようだった。
目の前でコアラのマーチの連中が騒いで。こっちを指差して笑っている。
するとジュンコさんが笑いながらコアラに抱きつき、マジだよ、キッスしちゃったよ。

場面転換

目の前にジュンコさん。どんどん顔が近づいてくる。あと15cmのとこでなぜかアッコに変わった。
なおかつどんどん近づいてきて。マジかよ、キスしちゃったよ。

「わっ。」
くわっとケンは目を見開いた。
「わっ。びっくりしたなあもう。起きたんだ。やっと。」
ぱっと離れてしゃべったのはアッコ。

「ええっと。何でお前が...。ここはうちだよな。うーん。」
「はは、当たり前じゃない。きのうカゼで倒れちゃったんだよ。覚えてないの?」
「うーん。あ、そうか。家に着いたとこまでは覚えてるんだけど...。あれから倒れちゃったんだ。」
「熱40度出てたんだよ。死ぬかと思った。」
「あいにく生きてるぜ。ははは。」
「冗談言えるようになったらもう大丈夫ね。」
「で何でお前が?学校は?」
「おさむに聞いて今朝こちらに電話したらおじいさんおばあさんが用事でどうしても出かけなきゃいけないって言うもんだから。学校さぼって来ちゃったよ。病人ほっといたら気の毒だしね。」
「ふ、ふーん。えーとえと今何時。」
「午後の4時。」
「ずっと朝からいたのか。」
「うん。まあね。しょうがないじゃない。」


「やさしんだな。意外と。」

「「意外と」は余計だよ。」

「それでさ。さっき俺が目覚ました時、目の前にいたじゃない。あれはその...」
「ばか。何言ってんの。えーとあれは熱見てただけ。      だけ。」


「ふーん。そう。    俺何か言ってたか。」
「ううん。何かもごもご言ってたけど。わかんなかった。」





「腹減ったなあ。」
「元気出てきたね。あ、そうだ。おかゆ作ってあるから暖めてあげるよ。」

10分後

「お待たせー。」
「へえ、お前が作ったのか?」
「まーね。」
ふうふうしている。
「ほら、口開けな。」
「あーん。バカ、自分で食うよ。」
「おいしいは?」
「あ、うまいうまい。」
「ほら、口開けな。」
ふうふうして食べさそうとした時、

ガラッ。
「こんちわー。先輩だいじょぶすかー。」
「わ、あちちちちちち。」
慌てておかゆこぼしちゃったよ。
「おめー、いきなり入ってくるな。びっくりしたなもー。」
「あー先輩、いいことしてたんですねえ。きゃあ、恥ずかしい。きゃあうらまやしー。」
「バカ、違うよ。食ってただけだ。」
そこへどやどやとあと三人。おさむとイットク、マコが入って来ました。
「ショータ、まああんまりからかうな。病人の特権だ。許してやれ。」とおさむ。
「えーいいないいな。僕がカゼひいてもあーんしてくれますか?くれますかー?。あーん。」
ぼかっ。
「治ってますね。先輩。痛いです。」
一同爆笑。


さすがケンちゃん若いです。いったん治り始めたらメキメキと。大事をとって二日目は婆さんに強制的に寝かしつけられ、それでもどかどかメシ食ったもんで三日目にはご赦免、学校にも行きの、もちろん練習にも行きましょう。メンバーの面々はカゼ移したらやばいってことでもう来るなと言ったら来なかった。子供もおるしね。
さあ練習にレッツ・ゴー。
だけど
その前にすることがある。足はまたもやヤマキワのスタジオに向かっていました。

・・何かなあ。熱出して熱醒めたら目も醒めた気分だぜ。・・

・・それにしてもやつらけっこういい連中だな。アッコだって来てくれたし。アッコ・・・


エスカレーターにのってずんずんと上に上がって。少しはドキドキしている。
スタジオのある楽器フロアーに到着。扉の前にコアラのマーチの面々がいた。

「お、ケン。よく来たね。どうしたの?二日間音沙汰無かったけど。心配しちゃったよ。」とジュンコねえさん。
「えーと。カゼひいちゃって。寝てたもんで。」
「げ、うつすんじゃねえ。」と水上。
「あ、だいじょぶ。もうピンピン。」
「まったくよう、あぶねえあぶねえ。」
「それはそうと言うことがあるんだ。」
「なんだい?練習の後のミーティングの時じゃ駄目なの?」とコアラ。
「いや駄目なんだ。実は。実はメンバーになることなんだけど。」
「え、あっちのこともあるからすぐじゃ無くていいよ。と言ってもあんまり待てないけど。」とジュンコ。
「いや、そうじゃ無くて。やっぱりメンバーにはなれません。せっかく誘ってもらってありがたいんだけど。



俺、やっぱブギが好きだ。」
「え、何で。考え直してよ。」ジュンコ。一挙に不機嫌な顔。声も一オクターブ低く。
「この私が頼んでんだから。」



「いや。駄目です。悪いけど。ごめんなさい。これで失礼します。」

「あーははははははははは。」いきなりジュンコ高笑い。びっくりしてケンは立ちすくむ。
「何よあんた。思い上がるんじゃねえ。別にあんたなんか欲しくなかったさ。あんたをあのバンドから抜けば同地区ライバルが減るじゃない。だから誘ったまで。入れたって弾かせはしないさ。このへぼギタリスト!。あんたの方が最高に決まってんじゃない。ねえダ〜〜〜〜リン。」
と笑いながらコアラに抱きついて。
抱きついて、マジかよ、キッスしちゃったよ。



・・
・・・
・・・・
「わー」っと言ってケンはエスカレーターを駆け下りた。

「何だよ、あいつジュンコにほれてたんじゃねえのか。」って聞こえた気がした。

桃屋に向かって歩いてるケン。

・・どっかで見たような光景だったなあ。・・・

・・あ、うなされてた時の夢だ・・・

・・正夢だ・・・・・

キィーーーーッツ。横から自転車。
「あぶねー。ボーッとして歩いてるんじゃねえっ!!」

「わ、わ、わ、わ、頭に来たぞー。くそーーーーー。あいつら俺をコケにしやがった。」
「ばかやろう。見てみろこの。ぎったんぎったんにしてやる。くそー。」
目が醒めたように怒りながら桃屋に到着した。

「おーーーーー!!」
「わ、先輩。もうだいじょぶなんすか。」とショータ。
「やっぱおめえがいないと練習になんねえよ。さ、早く支度して。」とおさむ。
にっっとマコが笑った。
「わははははは。そうだろそうだろ。と   その前に、話がある。全員集合。」
「なんですねん。練習はよしたいなあ。」イットクもおります。

テーブルにて
「みんなに話しておきたいことがある。実はだな。例のバンド、コアラのマーチに俺は入らないかって誘われてたん
だ。」
「で」とおさむ。
「で、って他に反応あるだろう。このー。」
「だって断ったんだろ。さ、練習練習。」って席立とうとする。
「まあ待て待て。俺が言いたいのはだな。そんな汚いことまでして俺らを潰そうとしてるやつ・・」
「ああ、わかったわかった。みんな用心しろ。ショータなんかうまいものに弱いからなあ。」
「えー俺はだいじょぶっすよー。でも開陳楼の肉まんくれたらはいっちゃうかもなあ。」
ぼかっ。
「あー痛。でもうれしー。ぶたれないと頭ボケーとしちゃって。」
全員爆笑。
続く。

「ばかばか。お前がバカ言うと「続く」が出ちゃうじゃないか。えーとまだ話が。」
「何だよはやくー。」おさむ。
「オリジナルが出来たぞ。」



「今度は「続く」出して良いでス。」


続く。




「オリジナルが出来ました。」ケンが言いました。
「いつのまにー。おめえ寝込んでたじゃないか。」とおさむくん。
「夢でみたんだ。ってゆうより聴きましたメロディを。ただで休んでませんぜこのあっしは。へへへ。」
「さすがリーダー。と言いたいたいところですが、聴かせてもらわにゃあ褒める訳には行きませんぜい。」
ばこっ。
「何をー。名曲に決まってるじゃないか。どうしてもって言うのならじゃ聴かせてやろう。」

ケンちゃん、ギターを手に取りアンプにシールドぶっこんでやりはじめます。

♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い




と一通り演奏。
「どんなもんだい。えっへん。」
ショータ「わーすげーなー最初に作ったにしては上出来じゃ無いですか。」
ばこっ。
「いてー。わ、わざわざこっちにやってきてまではたくよこの人。褒めたのにー。」
「ばかやろ。えらそうなこと言いやがって。悔しかったらてめえで作ってみんかい。」
「すんません。無理ですだ。」
イットク「ところで曲名は何ていいはるのでっか?」
ケン「うーん、まだ決めてないけど。そうだな。「如何にするか。」だな。やっぱ。」
「きっと何か悩んでたんですね。ほほほ。」
バこっ。
「うるさい。一言多いぞショータ。
とこで衝撃の発表をば。この曲のヴォーカルは・・・・・・・
アッコにやって貰う。」
「え。えーーーー。聞いてないよー。わ、私が歌うのーーー。」
「そう。しかも今度のコンテストでトリにこれやりたいと思います。はい。」
「何でまたー!!」とアッコ。
「やってみればわかーる。みんなそれでいいなっ。」
おさむ「いいなって言われても完成してみなければわからないけど、とりあえず完成させてみようや。」
ケン「はい。では一通り歌うのでそれを録音してみよう。」


♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い




「はい。こんな感じです。みんなどうぞ。はいはい。」
おさむ「割と構成は簡単だから大体覚えたよ。アレンジ考えちゃおうか。」
ケン「なるほど。えーとイントロはブギでピアノでお願いします。」
アッコ「えーピアノ、弾きながら歌うのー。聞いてないよー。」
「はい。うたうの。歌詞は.....取りあえずこんな感じだからよろしくね。」
すらすーらすらと紙に書いてアッコに渡した。一応コードも書いてある。

「えーやだーこんな歌詞恥ずかしいよう。さては自分で歌うのが恥ずかしいから私に歌えって言ってるんじゃ。」
ケン「違う違う。あくまでも曲本来の良さを引き出すための所業です。堪忍してやってくだせえ。」

ピアノの前に座ったアッコ、弾きだす。

♪ぽんぽんぽんぽん
如何にするかーーーー、かーーーー、かーーーーー


「駄目だよーー。これキイ高くて歌えないよう。」
ケン「いや大丈夫だいじょうぶ。それでいい。イメージ通りだなー。うまいぞアッコ。」
「まったくもう笑っちゃってもしらないから。」

おさむ「じゃみんなで併せてみようか。」

1,2,3,4
♪ずずぢゃぢゃ、づづぢゃぢゃ、ずずぢゃぢゃ、づづじゃじゃ
如何にするかーはどうでもよい このまーま行けたら良いな
如何にするかーは気にしない  間違うくらいが良いよ
如何にするかー 何も浮かばない 何も何も無い





ショータ「へー。けっこういいですねぇ。派手だし。アッコさんかわゆいし。」
おさむ「うん。なかなかいいぞこりゃ。でもあれだイントロのとこが寂しいかな。」

「ちょっと待ったーーーーー!!!!」

突然店の入口の方から大声が

放ったその男の正体は???
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